人生100年時代。誰もが老後のために資金を準備しなければいけない時代になりました。ファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんが、老後に受け取れる年金や老後資金の準備方法など、老後に役立つお金の知識を説明します。

※本稿は、伊藤亮太・監修『キホンから新常識までまるわかり! 超図解 お金再入門』(PHP研究所)より、内容を一部抜粋・編集したものです。


公的年金だけでは生活していくのが難しい

総務省の2019年の調査では、夫婦2人で受け取る年金の平均金額(月額)は約22万円でした。「会社員(夫)と会社員(妻)」「会社員と専業主婦(主夫)」「自営業と専業主婦(主夫)」などの組み合わせの違いで年金の金額は変化しますが、多くの人は現役時代よりも収入が下がることでしょう。

つまり、年金だけで老後の生活をまかなうのは難しいと考えたほうがいいのです。実際、貯蓄の切り崩しで生活している老夫婦は多いと考えられています。現役時代のうちから老後に備えておくことをおすすめします。

健康寿命が延びて、現役である期間も延びています。シニア世代の雇用も拡大していくはずです。老後を迎える前に、自分が年をとっても働ける職種に目星をつけておくのもいいでしょう。シニア世代が活躍している職種としては、事務職、マンション管理、清掃、コールスタッフ、軽作業、家事代行などがあります。

現役時代に取得した資格やスキルを活かした仕事をしている人もいます。会社によっては再雇用してもらうことも可能です。その場合は、嘱託社員やパート、アルバイトといった形で改めて雇用契約を結ぶことになります。会社に勤めている間に、退職後の再雇用が可能かどうか調べておきましょう。

シニア世代の仕事探しでは、シルバー人材センター、人材紹介会社が利用できます。シニア向けの情報が掲載された求人サイトもあるので、自分の条件に合った仕事が探せます。


公的年金だけが年金ではない

老後の生活のための資金となる年金。大きく分けると3種類の年金があります。「公的年金」と「企業年金」と「自分年金」です。

公的年金は20〜59歳の国民の誰もが加入しているもので、「国民年金」と「厚生年金」があります。会社員や公務員が加入しているのが厚生年金で、国民年金はその名の通りすべての国民が対象となります。したがって、会社員や公務員は厚生年金と国民年金の両方に加入しているのです。

公的年金は被保険者が65歳になったときから給付されるだけでなく、被保険者が障害認定を受けたときや死亡したときも給付されます。

企業年金は企業が従業員に支給します。支給方法としては、「年金」と「一時金」の2つがあります。年金の場合は分割して受け取りますが、一時金なら一括で受け取ります。企業年金は退職金を分割して支払うことからはじまった制度で、実質的には退職金の一種と考えていいでしょう。企業がそれぞれ独自に行うものなので、受け取り方は会社のルールによって異なります。また、導入していない企業もあります。

自分年金は、その名前のとおり、自分自身で用意する年金です。預金、株式、債券、投資信託、保険などの金融商品を活用して老後のための資金を自分で作るのです。iDeCo、国民年金基金、小規模企業共済などが代表的な自分年金です。公的年金、企業年金、自分年金を組み合わせることで、ゆとりのある老後が過ごせます。