「目は口程に物を言う」と言われるように、言葉では隠したつもりでも、相手にはサインを送ってしまっているものです。言葉や表情以外から相手の心理状態を知ることができる「無意識のサイン」の読み取り方を、目白大学名誉教授の渋谷昌三さんが紹介くれました。

※本稿は、渋谷昌三著『この人の言っていることは本当か?』(PHP研究所)より、内容を一部を抜粋・編集したものです。


握手に表れる隠された本音

一般的に、握手はお互いに好意を持っていることの証しです。ボディ・ランゲージの研究をしたA・マーレビアンは、「強く握る握手は、熱心さ、好意、温かい気持ちを相手に伝える」と明らかにしました。

しかし、そうでない握手をする人もいます。

たとえば、強く握ろうとしない握手は、無関心の表れだと考えられます。本当はどこか「面倒くさい」「この人は好きになれない」という気持ちがあるのかもしれません。そのために、相手の身体に触れるのを嫌っているのです。

手のひらに汗をかいている人も、本音を隠している可能性があります。一般的に、そうした人は、エネルギッシュで外交的な人に見えます。しかし、汗をかいているということは、内心とても緊張していることの証拠でもあるのです。

本当は気が小さく、人見知りをする人なのです。どうやって振る舞ったらいいのかあれこれと悩み、緊張しているからこそ、手のひらに汗をかいていると解釈できます。


座席からわかる「心の距離感」

座席のポジションからわかるのは、その人と自分との親密さです。会議室など、ある程度自由に席を選べるスペースで、試してみてください。相手が敵なのか味方なのか、一目瞭然です。

自分と真正面に向き合っている人は、こちらに対して攻撃的です。激しい議論を戦わせることも厭わない覚悟を決めていると予想できます。

逆に、真横の席に座る人は、味方です。パーソナル・スペースの考え方から、距離が近ければ近いほど、親密感が生まれるからです。また、共同作業をしやすいポジションでもあり、お互い助け合うのに適しています。

もっともフランクなのは、机の角をはさんで、90度の角度で座ってきた人です。この位置だと、視線を会わせるのも外すのも簡単ですから、非常にリラックスできます。距離も近いので親密感があり、「じっくり話をしよう」というときに適したポジションなのです。

このように、誰が、どこの席に座ったのかを確かめると、その人が自分にどんな気持ちを持っているか、わかります。多くの場合、座席選びは何気なく行われますから、普段の会話のうえではわからない、その人の本音が透けて見えるはずです。