どんなに精神的に強い人でも理不尽なことが続けば、深く傷つきメンタルが弱ってしまうこともあるでしょう。不安や悩みのない幸せな日々を送っている人は、どのような考え方をしているのでしょうか。

日本一厳しい大学といわれる防衛大学校を卒業した元幹部自衛官のぱやぱやくんは、「幸福になりたい人は『生存確率を高める行動をする』ということがとても大切」と指摘します。

著書『弱さを抱きしめて、生きていく。』の中から、誰かの基準や評価に左右されず、幸せを感じるために必要な行動パターンを紹介します。

※本稿は、ぱやぱやくん著『弱さを抱きしめて、生きていく。』(PHP研究所)から一部を抜粋し、編集したものです。


幸福な人は「生存確率」が高まる行動をする

「メンタルが弱くても生き延びること」を考えるにあたって、「幸せ」というテーマは切っても切り離せません。なぜなら、幸せとは「生存確率が上がること」だと私は自衛隊の経験から考えているからです。

しかし、「幸せとは何か」と具体的に説明できる方は、きっと多くはないのではないでしょうか?ここでまず「幸せ」とは何かを考えてみたいと思います。

私は陸上自衛隊の演習で何日もろくに休めず、風呂も入れずに泥まみれで訓練をした経験があります。当然、身体は臭くなりますし、疲労で身体が筋肉痛になります。寝る場所もテントではなく、草むらや掩体(身を守るための穴)になりますので、疲労もほとんど取ることができません。

そうした演習が終了し、演習場にあるボロボロの隊舎に戻ると凄まじい幸福感を覚えました。

まず屋根と壁があるので、風雨で体力が削られることがありません。蛇口をひねれば清潔な水が出ますし、汚いマットレスのベッドでも、草むらとは比較にならないぐらい疲労が取れます。

自販機に行けばコーラやビールが気軽に購入でき、栄養と水分補給に困ることがありません。演習終了後に風呂から出てコーラを飲むと、「自分は世界一の幸せ者だ」と私は思ったものです。

自衛隊退職後に「なぜ、あれほど幸せだったのだろうか」と疑問に感じていましたが、幸せとは「生存確率を上げるためのプログラム」という理論に出合って納得しました。

原始人の時から人は「少しでも安全な場所を見つける」「少しでもいい食料を見つける」「有能な仲間を見つける」という行動パターンがあり、その行動がうまくいくと「満たされた」と幸福を感じるようです。

この理論で言えば、私が演習後に感じた幸福は「生存確率が大きく上がった」ことに起因していたように思えました。確かに現代社会においても、生存確率が高まると幸せを感じることができると思います。

「素晴らしいパートナーに出会えた」
「組織で認められて昇進した」
「大金を貰える」
「安定した企業に就職する」
「どこでも通用する資格が取れた」
「治安がよい地域に住んでいる」

などは幸福だと感じることができます。

一方で安定した企業に就職をしても、長年勤務をしていると「幸せではない」と感じる理由は、「生存確率が変化しない」ことが原因とも言えると思います。

つまり、この理論で言えば、幸福になりたい人は「生存確率を高める行動をする」ということがとても大切なアクションになります。


迷った時は「生き残れそう」な道を選ぶ

「辛いことにひたすら耐える」「理不尽な仕事をやる」といった生き方でも、その生き方が自分の生存確率を高めるものであれば問題ないと思います。

たとえば、「辛くて危険でも年収1000万円が貰える」「怒鳴られるけど将来的に必要なスキルが身につく」などであれば、おそらくは我慢できるでしょう。

ただ「安月給で身体を壊すぐらい働くこと」「みんなからいじめられる」という環境では、明らかに生存確率が下がってしまうので、生存確率を高めるアクションを取る必要があります。

よく「仕事を辞めると周りのメンバーに迷惑がかかる」と考えて、仕事を辞めない方がいますが、そういう方は生存確率論に立ち返ってみてはどうでしょう。

メンバーや仕事に尽くすことが「自分の生存確率を上げる方法」と断言できるのであれば、仕事を続けたほうがいいと思います。しかし、仕事を続けることで心身ともにおかしくなりそうであれば、早く逃げたほうがいいでしょう。

とにかく、迷った時は「どちらが生存確率が上がるのか」と考えてください。そういった価値基準で「生き残るほう」を選択すると、あなたの幸福度は間違いなく上がるはずです。

会社を休むことで生き残れるのであれば、休むべきですし、ラーメンよりサラダを食べるほうが生き残れそうであれば、サラダを食べるべきです。そうすることであなたは「自分の人生を生きている」という実感も得ることができるはずです。

私も幹部自衛官としてやっていくよりも、民間企業で働いたほうが生き残れそうな気がしたので、結果として転職して良かったと思います。

誰かの基準や評価ではなく、生き残れそうという価値基準で進めてください。