芸人として一世を風靡したヒロシがいま、登録者数93万人を超える大人気YouTuberとして再ブレークしている。投稿される動画の内容は、ひとりでキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”。ヒロシは、「好きなことをするのに“ひとりはダメ”ってことはない」と語る。そんな“ヒロシ流”の、ひとりを楽しむ極意とは──。

「ソロキャンプをやっていると、“ひとりではさびしいでしょ”などと言われますが、そんなことはありません。むしろ、他人への忖度がない分、居心地がいい。ひとりがさびしいと思うのは、周りの人の目が気になるからだと思うんです。

 かくいうぼく自身、自分のやりたいことをがまんして周りに合わせなきゃ、という思いにしばられて苦しんだ。苦悩の末に、自分がやりたいことをやれれば、人はどうでもいいと思えるようになり、楽になったんです。なんでも誰かと一緒にやらないといけないと思っていた方が疲れませんか? もちろん仕事では、そうもいかないでしょうが、好きなことをするのにひとりじゃダメってことはないと思います」(ヒロシ・以下同)

 精神的に疲れ、テレビでの仕事を減らしてからは、釣りに行ったりバンドを組んだり、バーを開いたりなど、好きなことをやったという。

「芸人以外の道で何ができるかわからないので、好きなことを含めていろいろなことに挑戦し、たくさんの種をまいたんです。どれか1つでも芽が出ればいいなと思って」

 ソロキャンプの様子をYouTubeで配信し始めたのも、こういった挑戦のうちの1つだった。

「ぼくは48才で独身。このままずっとひとりで、孤独死するかも、と思わないこともありません。でもそれも悪くない。逆に、孤独死したらダメという人には何が困るのかと聞きたい。

 家族に囲まれて安らかに死んでいきたい、という人が多いのでしょうが、死ぬ間際に家族がベッドの周りで自分の財産のことで揉めていたら……なんて想像すると、ひとりで死んだ方がマシだと思ってしまいます。まぁ願わくば、若くてきれいなお姉さんに抱きしめられながら逝きたいですけどね」

 そう言って、フッと笑う姿は、かつて自虐ネタでお茶の間を沸かせた頃のままだ。

 人づきあいに嫌気がさしてソロキャンプを始めた彼の周りにはいま、再び人が集まってきている。

「人づきあいが苦手でソロキャンプを始めたのは確かなんですが、最近、同じ思いのソロキャンパーが集うようになったんです」

「焚火会」と称するそのグループでは、同じ場所でキャンプはするものの、自分のことは自分でやって、各自勝手に楽しむのだという。暗闇が怖くても、獣に襲われても、周りに仲間がいれば助け合えるし、心強い。

 人づきあいを手放したら、人が集まってきたのだから不思議だ。

「食」と「住」をすべてひとりでまかなうソロキャンプは、自分の人生そのものだと、ヒロシは続ける。

「ひとりで自由に生きていれば、人に気を使わなくても済むけれど、だからといって気楽ではありません。ひとりの自由を押し通すためには、面倒なことをたくさんクリアしないといけない。
ぼくの場合、ソロキャンプを楽しむために山林を買いましたが、そのためにはもちろん、お金をためないといけませんでしたし、今後は山林の手入れも自分でしないとならない。やりたいことをやって生きる方が本当は大変なんですよね。ぼく自身、いまはその作業の最中。そうやって生き続けられればいいかなと思っています」

 何事も自分でどうにかしていこうという思いで生きていれば、ひとりでいようと老後の不安はなくなるのかもしれない。

※女性セブン2020年10月8日号