近年の芸能界では、「マネージャークラッシャー」なる言葉が急浮上している。人気タレントの担当マネージャーが次々に辞めていき、その芸能人とスタッフの関係性が問題視されているのである。

 今年に入っても、「田中みな実がマネージャー5人交代」や「長澤まさみのマネージャー次々交代」のニュースが報じられるなど、今まで以上に問題視されるようになってきた。今一度、2人の内情を振り返る。

 田中を古くから知る、ある民放のテレビ番組制作者は「局アナ時代から、田中さんの評判はすこぶる良かった。番組スタッフ300人全員分のメッセージ付き手作りクッキーを差し入れした逸話や、若手ADにもきちんとあいさつする姿勢など。『あざとさも田中さんほどに極めれば、一流の気遣い』と絶賛されています」と話す。

ただ、一方では「TBSから独立後に所属した芸能事務所では、6年間で4人もマネージャーが交代。ある関係者は『マネージャーを使い走りにするのは当たり前。気に入らない衣装の時などはひどく怒鳴り、業務連絡も無視するようです』と内情を話していました」と、内輪には厳しい素顔が見られた。

 結果、昨年夏には、亀裂が修復不能となったその事務所から、女優を多く抱える現芸能事務所に移籍。しかし、そこでも、かつて広末涼子(40才)ら売れっ子を担当していた敏腕マネージャーが彼女についたにもかかわらず、この春で退社してしまった。

 一方の長澤も、ゴミの出し方まで事細かに注意した若手男性マネージャーが、すぐに辞めてしまい、その後に担当した別の中堅女性マネージャーも昨年、長澤の仕事で心身の調子を崩し、事務所に担当の交代を申し出たことが報じられた。

 田中も長澤も超のつく売れっ子。芸能マネージャーたちにとって、そんな華のある女優を担当することは、夢や目標の1つのはずだが、なぜそんな事態になってしまうのか。

 ある芸能リポーターは「田中さんと長澤さんの件は、マネージャーの辞め方が違うので同じ問題ではないかもしれませんが、業界全体として、“堪え性のないマネージャーが増えたと思う”という声はよく聞きます。しかし、昔のようにマネージャーは365日タレントのことだけを考え、プライベートの全てを捧げる構図は成立しない時代ですから、どちらが悪いという問題ではないのです」と話す。

 何よりも、2018年の「働き方改革関連法」成立で、芸能マネジメントの仕事は急速に難しくなっているという。

「マネージャーは送迎から始まるので、タレントよりも早起きで夜更かしでなければ成り立ちません。売れっ子の担当ならばなおさら。そして、プロ意識が強い芸能人ほど、マネージャーにも完璧を求めてしまいがち。でも、ブラックな働き方が許されないコンプライアンス重視の令和は、そこまでの労働力と忍耐力をマネージャーに強いるのは酷な時代になったというわけです」(前出・芸能リポーター)

 もはやマネージャーが、無名タレントに人生を捧げて育成して、二人三脚で夢を叶えるというサクセスストーリー自体が、成り立たない夢物語になってきたのだ。

「一方で、タレントや俳優は昔と変わらない努力を求められます。外見を磨き、模範的な行動をとらなければいけない点で言えば、スマホで誰でも撮影できSNSでかんたんに芸能人のスキャンダルが発信できる今、むしろ昔よりも気をつけなければいけません。より厳しい環境にさらされる芸能人と、より会社員的な動きに終始するマネージャーとで、アンバランスな状況になっている、とは言えるかもしれませんね」(芸能関係者)

 YouTubeなどの出現で報酬の稼ぎ方も多様化してきたことで、タレントが事務所のサポート無しで、自らマネジメントを始めるようにもなってきた。過渡期ゆえに、タレントもマネジメント側も困惑し、試行錯誤し始めている。5年、10年先の芸能界では、システムや常識が全く様変わりしていることも、あり得るのかもしれない。