年末恒例のバラエティ番組『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ系。以下、『笑ってはいけない』)が、今年は休止となることが発表された。各局が激しい視聴率争いを繰り広げる大晦日に、『NHK紅白歌合戦』(NHK)に次ぐ数字を稼ぐ同番組。年忘れの大笑いを楽しみにしていたファンにはショックなニュースだが、残念がっているのは一部の芸能人も同じかもしれない。

『笑ってはいけない』は、出演者が笑うことは許されず、笑ってしまうとペナルティを受けるというシンプルな番組だ。年によって「高校」「警察」「病院」など任意のテーマが設定され、大晦日に放送されてきたが、昨年15回目の節目を迎えたことを理由に今年は一旦休止とし、代わりのお笑い番組を放送するという。

「大晦日は長らく『紅白歌合戦』の一強でしたが、2000年代前半、TBSやフジテレビがPRIDEやK-1などの格闘技番組で20%近くの視聴率を稼ぎ、一強時代に風穴を開けました。日本テレビは苦しい闘いを強いられていましたが、状況を一変させたのが2006年にスタートした『笑ってはいけない』です。当初、2時間程度だった放送時間は6時間にまで伸び、常に20%近くの視聴率を獲得。民放視聴率トップの座をがっちりキープしてきました。

 ただ、松本人志は数年前からマンネリ感を訴えており、2016年には『去年で辞めると言ってたんですが……』と発言。昨年にはアンジャッシュ渡部建の出演情報がリークされ、松本が激怒したと一部で報じられました。

 さらに、BPO(放送倫理・番組向上機構)の問題もあります。BPOは今年、“痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティ”を審議の対象とすることを決定しました。『笑ってはいけない』では、出演者が笑うと罰としてケツバットされるため“アウト”。日テレは今回の休止について『BPOの件は関係ない』と述べていますが、関係あるのではないかと言われています」(テレビ情報誌記者)

せっかくの“復活チャンス”なのに……

 コロナ禍で外出もままならぬ中、テレビで大笑いしながら年越ししたかった人は多いはず。また、『笑ってはいけない』をチャンスの場として考えていた芸能人も落ち込んでいるはずだ。

「『笑ってはいけない』では、スキャンダルやゴタゴタがあった芸能人をブッキングするのが1つのお約束でした。袴田吉彦、原田龍二、宮崎謙介らは、自らが起こした不倫騒動をネタにしましたし、お蔵入りと言われていますが、昨年はアンジャッシュ渡部も出演するはずだった。ほとぼりが冷めるのを待つのでなく、スキャンダルをネタにして笑いにすることで、“そろそろ許してあげようか”という雰囲気を生む復活テクニックが存在したのです。

 2021年であれば、熊田曜子、鬼龍院翔、有村昆あたりがオファー候補。もし瀬戸大也、福原愛あたりがブッキング出来れば、間違いなく大きな話題になったでしょう。出演は諸刃の剣ですが、ダウンタウンを爆笑させれば禊は済んだようなもの。イメージ回復はその後の仕事や収入に直結するわけで、やらない手はありません。その大事なチャンスが失われたのですから、密かに残念がっている芸能人、著名人はいるはずです」(芸能事務所関係者)

 さらに「笑ってはいけない」休止の影響は、他局にまで及ぶ可能性もある。

「本来なら、紅白の裏番組で視聴率トップの『笑ってはいけない』が休止になれば、他局は喜びそうなものですが、現場はむしろ危機感を募らせています。休止によって、その視聴者が他局に流れるのでなく、テレビの前から離れてしまう可能性もある。年末年始で存在感を示せなければ、テレビが“オワコン”になる決定打にもなりかねないからです」(テレビ関係者)

 紅白がバカ勝ちするのか、『笑ってはいけない』の代替番組が存在感を示すのか、はたまたテレビ全体が沈み込むのか……2021年の大晦日はテレビ界にとって重要な1日となりそうだ。