原田知世に小泉今日子に中森明菜……“花の”と冠が付くほど隆盛を極めた1982年デビュー組のアイドルたち。その中のひとりである白石まるみが、煌びやかなあの時代を振り返る。

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 歌手デビューしたのは19歳の時です。ファーストシングルは、松任谷正隆さん作曲、松任谷由実さん作詞の『オリオン座のむこう』。アルバム『風のスクリーン』のプロデュースも正隆さんです。

 実は15歳の時、別のレコード会社から歌手デビューしないかとスカウトされました。『ムー一族』の一般公募で4万人の中から選ばれ、女優デビューしたばかりの頃です。でも、その若さで歌を出すことにためらって辞退し、歌手デビューは高校卒業後に。

 ところが、時代はアイドル低年齢化の波が押し寄せていました。同じ82年に歌手デビューした堀ちえみちゃんが15歳、三田寛子ちゃんや中森明菜ちゃんが16歳。とにかく15〜16歳の新人アイドル歌手ラッシュの中、私はかなり出遅れ感がありました。

 楽屋では若いアイドルたちがみんな走り回っているんですよ(笑い)。そのノリについていけない私も、事務所から20歳まで恋愛禁止と言われていました。

 煌びやかな時代でした。ただ、当時は今よりも現場のスタッフが厳しく、ピリっとした緊張感も漂っていました。

 歌手側も商品としての意識が高く、特に82年組は頑張り屋が揃っていた。毎年多くの歌手がデビューしては消えていく世界で、今も根強く活躍している82年組は特別だと思います。

 私は新人賞レースにも参加しましたが、アイドル歌手に向いていないと思い、歌手活動は1年でやめました。結局、歌番組にはビートたけしさん司会の『アイドルパンチ』など10本弱しか出ておらず、コンサートは一度もしていません。

 だから、昨夏からレギュラーになった舞台『昭和歌謡コメディ』公演で衣装を着てデビュー曲を歌うシーンで、お客さんから紙テープを投げられるのが本当にありがたくて。自ら「ちょっぴり大人。白石まるみ、55歳です」とキャッチフレーズをつけて、ようやく人前で歌う楽しさを満喫しています。

●しらいし・まるみ/ドラマや舞台で活躍。2018年は舞台『昭和歌謡コメディ』などに出演予定。2013年、芸能界初となる個性心理學の認定講師の資格を取得。2017年11月、著書『Animalogy 人間の取扱説明書』(牧野出版)を出版。講演活動も行なう。

※週刊ポスト2018年1月26日号