6月1日、日本ハムの中田翔(32)が二軍戦に出場した。昨季は自身3度目の打点王に輝いた不動の4番が、今季は打率が1割台に低迷するほど不振に喘いでいた。5月17日に登録抹消されてから初の実戦復帰となったこの日の試合で、3打数1安打。試合後には「もう一回やらなアカンっていう気持ちになっている」とコメントし、一軍再昇格へ意欲を見せた。
 
 この日に至るまでの2週間、中田はチームメイトの前から姿をくらましていたという。スポーツ紙の日本ハム担当記者が語る。

「開幕から思うような打撃ができずに苦しんでいた。4月7日の試合では三振後にベンチでバットを叩き割り、その後にベンチ裏で転倒。翌日に右目付近を紫色に大きく腫らした姿でグラウンドに現われた。

 打率1割台に低迷する中、打順はコロコロと変わり、5月16日の試合を体調不良で欠場すると、翌日に登録抹消。二軍行きは自分から希望したそうです。ところが、二軍の本拠地がある千葉・鎌ケ谷に来た形跡はない。ある記者がそのことを栗山(英樹)監督に質問したところ、普段は温厚な監督が無言で会見を切り上げてしまった。これはただ事ではないと感じました」

 一体何があったのか。この担当記者が続ける。

「別にケガをしたわけでもなく、今季の中田はやる気が見られない。今季第1号の本塁打がメジャー帰りの楽天・田中将大からのものだったことからもわかるように、気持ちが入れば本来のスイングができる。でもモチベーションが高まらない場面では、気のないスイングばかり。栗山監督が7番、5番、2番、6番と打順を入れ替える度に不満は募り、自らの打順について“阪神では新人(佐藤輝明)が4番を打っているのに……”とボヤいていたそうです」

 気持ちが入らない理由について、日本ハムOBは意外な理由を明かす。

「コロナ感染防止の目的からか、今季から札幌ドームでタバコを吸える場所がほとんどなくなり、愛煙家で知られる中田はイライラを募らせていた。開幕間もない頃に禁煙エリアでコッソリ吸っていて、首脳陣に叱責されたという話もある。そんな中で“バット叩き割り事件”を起こして注意され、さらにふて腐れてしまったようだ」

 別の理由も取り沙汰されている。

「栗山監督は中田をほどよく持ち上げて扱ってきたが、昨季から加入した小笠原道大ヘッドコーチと中田の関係が良くない。入団時からビッグマウスで親分肌の中田に対し、現役時代から“無口な求道者”として知られた小笠原コーチだけに、そもそも性格が合わないのでしょう。

 小笠原コーチは日本ハムの功労者であり、指導力も評価されている。今季の低迷が続いて栗山監督が途中休養にでもなれば、小笠原コーチが代理監督に昇格する可能性は高い。そうなった場合、中田はさらに使われなくなるだろうし、場合によっては“トレード要員”にもなりかねない。もしかしたら、中田自身がそれを望んでいるのかもしれませんが……」

 もっとも、日本ハムにとって中田は“腐っても鯛”のようだ。中田の二軍降格後は“空席”となった4番を王柏融らが日替わりで務めるものの、相手投手から見れば怖さはない。「ポスト中田」と期待された清宮幸太郎も二軍で鳴かず飛ばず。番記者が中田の動向に関心を抱くのも当然なのかもしれない。

 栗山監督は中田と話し合いを重ねていることを明かし、「4番を打つだけのものに戻ってきてと言っている」とエールを送った。チームも4番も低迷から脱する術はあるのか──。