胃がんから復活期す広島・赤松真人「ラスト1年の気持ちで」

胃がんから復活期す広島・赤松真人「ラスト1年の気持ちで」

 セ・リーグ3連覇を達成したプロ野球・広島カープで、赤松真人(36)は11月12日に契約更改。野球協約の減額制限いっぱいとなる675万円減の2025万円でサインした。

「来季は一軍で恩を返さないといけない」

 そう力を込めた赤松は2004年のドラフト6位で阪神入りし、2007年オフに広島に移籍。50メートル5.5秒の俊足を生かして活躍してきたが、2016年オフに胃がんが見つかった。

「もともと、妻のために予約した検診でしたが、“(妻の検査の間に)ただ待っているのもな……”と思って胃カメラの検査を受けたら、がんが見つかったんです。自覚症状もなかったので、“嘘だろ”と思いましたよ。

 手術で胃を半分切除した後に、リンパ節への転移がわかった。医師からは『ステージIII。抗がん剤治療が必要です』といわれました」

 まだ34歳だった赤松は、重い選択を迫られた。抗がん剤治療に入れば、体力が落ちて野球選手を続けることは難しくなる。

「とはいえ、生きていないと野球はできませんから、抗がん剤治療を選ばざるを得なかった。1回の治療が終わるたびにガクッと体力が落ちる。体がだるくなり、下痢と嘔吐が続くんです。強制的にインフルエンザにされている感じでした」

 そんな時、広島のチームメイトたちの存在が支えになっていたという。

「もともと菊池(涼介)とは仲が良くて、病気が分かったときも最初に伝えました。その菊池が、試合前の休憩時間に『生きてる〜?』とか、明るくLINEのビデオ通話をかけてきてくれる。そこで周りの選手とも話をすると、気が滅入っていても元気になれた」

 昨年7月に練習復帰。今年3月のウエスタン春季教育リーグで、実戦復帰を果たした。もちろん、困難はある。

「まず飯が食べられない。抗がん剤治療で体重が10kg近く落ちましたが、それが戻らない。食べて体が作れないんです。胃が半分しかないので、すぐに満腹になってしまう。食べる回数を増やすとか、試行錯誤の繰り返しです。

 あとは、野球をやる上での感覚、反射神経といった部分のパフォーマンスが落ちているのは実感します。トレーニングで握力は戻っても、微妙な感覚は戻らない。常にだるい感じで、体のキレが悪い。がんになる前の走攻守を100とすれば、今はそれぞれ30くらいでしょうか」

 それでも、赤松は挑戦を続ける。今季は二軍で55試合に出場。打率2割3分7厘で、盗塁は5つだった。

「実力がある者が使われるのがプロスポーツの世界だから、同情はしてほしくない。ここで一軍を勝ち取れば、がんサバイバーたちを勇気づけられる」

 目標はカムバック賞だが、「ラスト1年。その気持ちでやる」──赤松はそうはっきりと、2019年シーズンへの決意を口にした。

※週刊ポスト2018年12月21日号


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