左右の耳かの後ろから左右の耳の後ろから鎖骨に向かって斜めに発達している「胸鎖乳突筋」。この筋肉を鍛えることで、あごのラインがすっきりし、横顔が美しく見えるようになるのだという。

 また、胸鎖乳突筋は顔の筋肉とつながっており、ここがピンと張っていることで、顔の筋肉がゆるんでいくのを防ぐことができる。胸鎖乳突筋を鍛えれば、顔のたるみを解消できるというわけだ。

 顔の印象を左右する大事な胸鎖乳突筋だが、脚や腕の筋肉のように日常生活の中で鍛えられることはほとんどない。意識しなければ、40代以降、加齢によって衰えてしまうという。

 また、最近ではコロナ禍によるマスク生活でフェイスラインを意識する機会が減っている。このまま半年、1年とマスク生活が続くうちに、どんどん輪郭がぼんやりとし、別人のような顔になってしまう可能性があるのだ。

 一方で、50代や60代になって、首回りがやせてしまい、筋が浮き出ていることを気にする女性も多い。この悩みも、胸鎖乳突筋を鍛えることで解決できるという。

 タレントやモデルが多く通う東京・六本木のパーソナルトレーニングジム「STELLA GYM」の代表で、トレーナーの玉置達彦さんは、こう話す。

「胸鎖乳突筋にハリが出ると、若々しく見えるので、年齢を重ねたかたこそ、鍛えてほしい。リラックスしながらできる簡単なエクササイズなので、ぜひ試してください」

 筋肉を鍛えるといっても、激しい筋トレは必要ない。誰でも気軽にできる方法を玉置さんが紹介する。

胸鎖乳突筋の状態をセルフチェック

 まずは状態を確認するところから。

「自分で確かめるのが難しい場合は、家族や友人に写真を撮ってもらうといいでしょう。ひとりで確認したい場合は、頭の後ろとかかとを壁につけて立ってください。このとき、お尻が壁につかない人は首が前に出ていて、胸鎖乳突筋が弱っています」

胸のストレッチ

 前につき出た頭部を正しい位置に戻すために効果的なのが、胸のストレッチだ。

「スマートフォンを長時間見たり、料理や掃除などで背中が丸まると、胸の筋肉が固まり猫背になってしまいます。そうすると、頭部が前傾し、胸鎖乳突筋が正しいポジションからずれてしまう。その状態のまま胸鎖乳突筋に負荷がかかると、首回りの筋肉全体に歪みが生じ、フェイスラインが崩れるのです」

背中を鍛えるエクササイズ

 頭部を前から支える胸鎖乳突筋と対になるように、後ろから頭部を支えている筋肉がある。それは、肩から首にかけてついている「僧帽筋」、背中から腰にかけてついている「広背筋」だ。

 これらの筋肉が育っていないと、頭部が前傾し、胸鎖乳突筋が伸びたままに。ゴムを引っ張り続けているような状態のため、柔軟性が失われ筋肉が弱ってしまうのだ。

「胸や背中の大きな筋肉から動かすことで全身がほぐれて首も動かしやすくなります。石原さとみさんも、胸鎖乳突筋のために背中の筋肉も積極的に鍛えているそうです」

 胸のストレッチから続けて立って行ってもいいが、椅子を使うことで、背中の筋肉に意識を向けやすくなると、玉置さんはアドバイスする。

「立ったままだと重心が下半身に置かれるので、背中の筋肉だけを意識するのが難しい。椅子に腰かけたり、あぐらをかいたりして、下半身を安定させるとよいでしょう」

胸鎖乳突筋をほぐす

 大きな筋肉を動かし、血流がよくなったタイミングで胸鎖乳突筋にアプローチしたい。まずは、こり固まった胸鎖乳突筋を手でほぐしていく。

「首回りには神経が集中しているので、痛みを感じない程度の強さでもんでください。拳でリンパを流す際も、肌が赤くならない程度に押しましょう」

胸鎖乳突筋を鍛える

 最後に首を動かすことで、胸鎖乳突筋を鍛える。

「真横まで首を動かせない場合は、正面から60度ほどでも構いません。続けるうちに、可動域が広がってくるので、まずは無理をしないことが重要です」
 この4つの工程はわずか3分ほどで終了することができる。個人差はあるが、続けることで確実に効果が見えるだろう。

「週2、3回行えば、1か月ほどで効果が表れるでしょう。毎日続ければ、早ければ2週間ほどで効果を感じられると思います」

 家事の合間や、テレビを見ながら実践して、人気女優のような横顔を手に入れよう。

イラスト/井上明香

※女性セブン2021年9月30日・10月7日号