もはや日常生活から切り離せなくなったSNS。しかし、何気なく投稿した内容から犯罪に巻き込まれるケースもあるという。どういった投稿が危険なのか、具体例を見て行こう。

不用意なSNS投稿で住所特定も!? 自宅近くでの自撮りに犯人が笑う

 埼玉県在住の専業主婦・D子さん(38才)は、愛犬ゴマちゃんの誕生日に近所の公園で自撮り。とてもかわいく撮れた写真をSNSに投稿した。その後、知人に「あなたの写真がネットに流出している」と連絡があり、調べると居住地や公園名まで特定され、あまりの気味の悪さにD子さんは寝込んでしまった。

「不用意にSNSに投稿した写真やつぶやきから、誘拐やストーカー、空き巣などにつながった例を、私は警察時代に多く見てきました」と話すのは、元埼玉県警捜査一課デジタル捜査班の警部補・佐々木成三さん。

 SNSは便利なツールだが、個人情報が漏れる原因となり犯罪を呼び込むリスクも高い。たとえば、スマホで撮った写真を位置情報付きで公開するだけでもかなり不用心だ。

「SNSに投稿する際は公開範囲に注意が必要です。誰でも見られる公開設定がリスク大なのはもちろんですが、友達限定の非公開でも、その中によく知らない人が交じっていれば、その人が写真を勝手に使用する可能性もあるのです」(佐々木さん)

モザイクアプローチや意外なものから特定

 家族と自分を守るためにも、個人情報を流出させない慎重さが必要。だが、SNSに精通した人たちの手にかかれば居住地の特定は簡単にできると、情報リテラシーに詳しい成蹊大学客員教授の高橋暁子さんは言う。

「SNSを利用するかたは、実名のフェイスブックから匿名のツイッターやインスタグラムまで、複数のSNSを使い分けるケースが大半。フェイスブックでは公的な情報を発信する一方、ツイッターやインスタグラムでは匿名だからバレないと思うせいか、『明日から台湾で〜す』とか、『22日まで〇〇大会に参加するため上京します。最終日までがんばります』などと、自分の不在情報までつぶやきがちだが、友達のアカウントがかぶっていたり、同じ写真を投稿したりしていれば、それを基にフェイスブックとツイッターなどをひも付けし、同一人物と特定します。

 こうしたモザイクアプローチという手法で、留守中に堂々と空き巣に入られたというケースも実は少なくないのです」(高橋さん・以下同)

 SNSでは、いくら匿名であっても、旅行や帰省、出張などに関する情報はつぶやかない方がいいということだ。

 さらに、解像度の高くなった写真を解析する“特定班”という人たちもいる。

「若者には知っている人が多いですが、目や車のボディーへの写り込みから、どこで撮った写真かのヒントを探し出し、候補地を絞り、グーグル・ストリートビューを細かくチェックして自宅の場所を特定できます。それが、お金につながる場合は犯人側も真剣なので、何でもない写真からでも個人情報を類推するのです」

 窓からの風景や雷、虹、ゲリラ豪雨などの自然現象、そして停電を投稿するのも自宅特定につながるのでNGだ。

「これらが何時何分にあったかをSNSに投稿すれば、自宅がどの辺か類推される可能性があり、窓からの景色がわかれば大きなヒントになります」

 さらに、Vサインをした写真投稿や、SNSで知り合った人による詐欺も要注意だ。

「Vサイン写真から指紋を盗られるリスクがあります。指紋を盗られると指紋認証が広がる時代に大きなマイナスを負うことになります。記念写真を撮る際は、指紋をカメラに向けない裏Vサインのポーズで撮るのがおすすめです。

 また、SNSで知り合った人による詐欺も増えており、安易な儲け話には絶対に乗らないことです」

 犯罪に巻き込まれないために、どんな犯罪が起きているかを知ることも大切。正しいスマホ活用術を身につけて、安全で快適なスマホライフを楽しもう。

こんなケースも気になる!

相談1:SNSで知り合い恋した異性がトラブルでお金が入り用に!

 SNSで交流を深め、恋愛感情を抱かせてからお金を騙し取る手口。「いわゆる国際ロマンス詐欺ですね。会ったことがないのに、会社が傾いているので助けてほしいなどと言われると、被害者はもう結婚するつもりでいるのでバンバンお金を渡してしまうのです。お金の話が出たら、まずは誰かに相談を」(高橋さん)。

相談2:50万円預けてくれたら毎月5万円の儲けが出ると誘われ、迷っています。

 典型的な投資詐欺。「だいたい2か月は利益を出すんです。50万円預かったら5万円を2回支払って、そこから連絡がとれなくなるパターンが多い。投資は資金が0円になる可能性もあるので、資金を集めた人が実際に投資をしていなくてもそれを裏付けるのが難しい。そんな甘い話はないと覚えておきましょう」(佐々木さん)。

取材・文/北武司 イラスト/サヲリブラウン

※女性セブン2021年11月4日号