■日本のフルーツを世界へ

世界の最前線で活動し続けてきたパティシエが太鼓判を押す日本のフルーツ。その一方で、日本人の間では「果物離れ」が進んでいる。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、2019年における国民1人が1日に食べた果物は96.4グラムだった。2009年の113.0グラムから減少しており、特に若年層で落ち込みが激しい。

青木さんは「日本では、フルーツを生でしか食べないからでしょう。それは恵まれたことではあるのですが、もったいない。ひと手間加えることで可能性は無限に広がる」と指摘する。

青木さんはコンフィチュールの原材料として、生では苦みや酸味が強いものをあえて使用することがある。砂糖などで甘みを調節すれば、誰も食べたことがないような味わいを表現できるからだ。

「幸いにも、僕にはヨーロッパを中心に海外に通用するブランドがあります。まず地元の人たちに感動を与えて自信や誇りを持ってもらいながら、世界に日本のフルーツをアピールしていきたいですね」

「生」だけではない国産フルーツの魅力を、世界へ発信する。青木さんの挑戦はまだまだ続く。

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鬼頭 勇大(きとう・ゆうだい)
フリーライター・編集者
広島カープの熱狂的ファン。ビジネス系書籍編集、健保組合事務職、ビジネス系ウェブメディア副編集長を経て独立。飲食系から働き方、エンタープライズITまでビジネス全般にわたる幅広い領域の取材経験がある。
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(フリーライター・編集者 鬼頭 勇大 インタビュー・構成=鬼頭勇大)