PRESIDENT Online 掲載

簡潔明瞭な話し方をするには、何を意識すればいいか。カウンセラーの藤本梨恵子さんは「『すべて伝えなくてはならない』と思うと、話が長くなってしまう。しかし、余分な説明が増えるほど、一番言いたいことの印象は薄れ、『結局、何が言いたいの?』と相手を疲れさせる。普段から読点ではなく句点を意識して話すといい」という――。

※本稿は、藤本梨恵子『なぜか惹かれる人の話し方 100の習慣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■説得力は声のボリュームで決まる

「はぁ?」「何?」と聞き返されて、「悪いことを言ったかな?」と思うのは、たいてい勘違いです。ただ声が小さかっただけです。

人は、何のためにコミュニケーションをとるのでしょうか?

それは、言葉で情報をやり取りするためです。だから、その情報が聞こえないのは困ります。相手が「何?」と聞き返すのは、あなたが話す情報を知りたいからです。

特に日本語は、「○○です」「○○ではありません」のように、語尾によって意味が正反対になります。だから、語尾をはっきり伝える必要があります。

Aさんは「仕事で、人からよく聞き返されます。それが嫌で、お客様への連絡は電話でなくメールで、同僚への伝言は、相手が席を立ったときにメモを置きます。声が小さいのも個性だと思うのですが……」と言います。

ビジネスでは、特に情報を正確に伝える必要があります。何度も聞き直すのは時間がかかり、相手の負担になります。Aさん自身にとっても、話さずにメールやメモを書くのはタイムパフォーマンスがよくありません。

採用面接でも会議でも、声が小さいと自信や説得力がないと相手に感じさせます。その結果、自分や自分の案が採用されずに損をします。