「笑顔」も「いいね!」も通じない…日本発祥の「絵文字」が海外で直面している"恐ろしい世代間ギャップ"
プレジデントオンライン6/14(土)18:15

撮影=プレジデントオンライン編集部
31歳のサラ・アンダーソンさんも、これとよく似た体験をした。チアリーディングのコーチを務める彼女は、チームへの連絡によかれと思い、必ず笑顔の絵文字を添えていた。ところがあるバスケの試合中、チームメンバーの一人から、「その笑顔は嫌味に感じる」と面と向かって指摘されることに。アンダーソンさんは心底驚いたという。
このように、かつては間違いなく純粋な温かさや喜びを表していた絵文字だが、Z世代の間では全く異なる意味合いを持つようになった。オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」は、特にコロナ禍でリモートワークが増えて以降、絵文字の解釈違いによるコミュニケーションミスが増加していると指摘する。
著者に『デジタル・ボディ・ランゲージ』があるエリカ・ダワン氏は同サイトの取材に、30代以上は絵文字を本来の意味で活用することが多い一方、デジタルネイティブの若者たちは皮肉を込めたり、全く別の意図で使ったりする傾向が強まっていると解説している。
笑顔の絵文字にとどまらず、世代間で絵文字の解釈が大きく異なる例は他にも散見される。
■「いいね!」のつもりが「もう会話したくない」の誤解
笑顔に続いて世代間で大きく意味が異なるのが、「サムズアップ」の絵文字だ。親指を立てた「いいね」のアイコンをイメージすると分かりやすいだろう。
英インディペンデント紙は、ネット掲示板レディット(Reddit)で話題となったスレッドを取りあげている。あるユーザーが「サムズアップの返信をもらうと不安になる」と投稿。これに若者世代のユーザーが大きく共感した。
返信を書き込んだあるユーザーは、「参考までに私は24歳ですが、私たち若者はサムズアップの絵文字を、受動攻撃的な意味で使います」と綴っている。受動攻撃的(passive aggressive)とは、あからさまには反論しないし表面上は友好的に振る舞うが、不満や敵対心を言外にありありと滲ませる態度を指す。
サムズアップの絵文字を送る場合、表面上は「いいね」の絵文字を使いつつ、賛同できないしこの会話はここで打ち切りたい、との不満を感じさせる。このユーザーは続けて、「誰かがサムズアップの絵文字を1つだけ送ってきたとすれば、それは非常に無礼なことです」と加えた。
ライフスタイル情報を取りあげる英ウェブサイトのHer.ieは、「世代間のコミュニケーション文化の違い」が根底にあると解説している。
30代以上の世代にとっては、この絵文字は全く別の意味を持つ。インディペンデント紙のヘレン・コフィー記者は、この絵文字は「軽やかさとプロフェッショナルな雰囲気が同居しており、常に無駄のない中立性を保ちながらもポジティブな印象を与える」ものだと捉えているという。
コフィー氏の職場でもコミュニケーションの潤滑剤として機能しており、「『了解』『できます』『今やっています』『グッドジョブ!』『ありがとう』」などあらゆるポジティブな場面で活用できる「無敵のパッケージ」だと表現している。









