恥をさらした日本郵便は猛省せよ…異例のトラック使用禁止処分で「配達に影響はない」社長発言のウソ
プレジデントオンライン6/17(火)8:15

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■苦肉の策を講じても、悪影響は回避できない
さらに考えられるのは、現時点では行政処分の対象となっていない軽バン車で輸送リソースを補填しようとすることだ。
トラックに比べて輸送量がはるかに劣る軽バン車をトラック輸送の穴埋めに使おうとするのは悪手なのだが、おそらく現場レベルでは苦肉の策としてこの悪手を使わざるを得ないところも出てくるだろう。
さらに言うと、日本郵便はAmazon等の配送を担っている軽バン配達員(※個人事業主が多い)もかき集めようとするだろう。
では仮に日本郵便がこのように考えられる対策を行い、自社物流事業への影響をゼロにすることができたとする。
それは、社会への悪影響を回避できたということになるのだろうか。
答えはNoである。
■軽バン配達員の労働環境がさらにブラック化
①他企業への悪影響
「物流の2024年問題」をきっかけに「トラックが足りない」という物流クライシスが生じている今、日本郵便が自社の穴埋めを行うトラック(協力会社)をかき集めれば、「日本郵便が行政処分を受けたあおりで、ウチはトラックが手配できない」というさらなるトラック輸送リソース不足を生む。
②運賃の高騰が生む物価高
日本郵便は自社事業継続のために、相場より高い運賃を提示してでもトラック確保を行う可能性がある。これは運送会社にとっては追い風ではあるが、消費者にとってはさらなる物価高につながる。
③個人事業主軽バン配達員の労働環境悪化
Amazon等、特にEC・通販におけるラストワンマイル配送の担い手として注目される軽バン配達員だが、特に立場の弱い個人事業主の軽バン配達員が過重労働を強いられ、交通事故も増加していることが社会問題となっている。
日本郵便が新たに軽バン配達員をかき集めようとすれば、本問題がさらに深刻になる懸念がある。
NTTなどと同様、社会インフラを担う元国営企業である日本郵便が自社の事業を維持継続するのは当然の責務である。
だが、先に挙げた日本郵便の千田社長の「顧客のためにも、業務を維持することを最優先としたい」という発言から、「自社さえ良ければ、社会や産業界に悪影響を与えても良い」という身勝手さを裏読みしてしまうのは筆者だけだろうか。
社会への悪影響を回避できない以上、日本郵便は実直に謝罪すべきだと思うのだが……。









