今や韓国、台湾、シンガポールの方が医療水準が高い…「どんぶり勘定で診療報酬を改定」日本の医療政策の末路
プレジデントオンライン6/12(木)7:15

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/imaginima
■医療ビッグデータの活用が進んでいる台湾
韓国や台湾は、日本と同じように皆保険制度を導入している。韓国は任意加入の医療保険からスタートしたが、1989年に居住者全員が加入する皆保険になった。保険者が乱立して格差が生じていたが、金大中(キムデジュン)大統領政権によって統合が進められ、2000年には全保険者が統合された。台湾では、職業別の医療保険制度が乱立していたが、1995年に全国民が加入する単一の保険者による「全民健康保険(NHI)」が導入された。
どちらも日本の皆保険制度と似ているようだが、全く異なるのは、ビッグデータとしての医療内容がデータ化され解析されていることだ。
特に台湾は、驚くほど医療ビッグデータの活用が進んでいる。約4000の病院と約2万の診療所、約6000の薬局のデータは、NHIメディクラウドシステムに集約される。医師と患者が自分のICカードを差し込むと、その患者の医療情報にアクセスできるようになっており、検査や薬の処方の重複を防ぐなど、無駄な医療費の削減につながっている。匿名化されたビッグデータは、研究や医療政策立案のために活用されているそうだ。
■マイナンバーカードと保険証の一本化に四苦八苦の日本
新型コロナウイルス感染症拡大時には、当時デジタル担当政務委員だったオードリー・タン氏が、健康保険ICカードとマスクの購入歴を紐づけ、マスク不足時には大人1人週2枚を実名購入し混乱が起こらないようにしたことで話題になった。タン氏は政府が把握しているマスクの在庫データを公開した。そのデータは30秒ごとにリアルタイムの情報が更新される仕組みになっており、このデータを使って民間企業や技術者が、マスクの在庫がある薬局の情報を地図上に表示できるアプリなどを開発した。台湾政府が約20年かけて構築した医療ネットワークシステムが機能した例だ。
その頃日本は、新型コロナウイルス感染症の感染者の把握をする保健所がファックスでやり取りをしていることが話題になったくらい、IT化の遅れが露呈していた。コロナの混乱が落ち着いても、医療デジタル化の一歩となるマイナンバーカードと保険証の一本化にも四苦八苦しているような状況だ。新たな保険証の発行は2024年12月に停止され、マイナンバーカードに一本化されるが、未だ混乱が続いている。やっとマイナンバーカードと保険証、薬の服用歴などが紐づけられて、医療情報のデジタル化が進みそうだが、台湾、韓国などよりも相当遅れている。










