ドローン物流の技術課題はクリアできたのに…「世界の低空域経済圏」掌握を目指す徳重徹が日本に感じる閉塞感

プレジデントオンライン6/11(水)8:15

ドローン物流の技術課題はクリアできたのに…「世界の低空域経済圏」掌握を目指す徳重徹が日本に感じる閉塞感

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/sarawuth702

■新たなドローンの運航管理が必要になる

もうひとつの主力事業UTMのほうも、すでに本書でもとりあげたようにベルギーのUniflyを傘下に入れたことにより、テラドローンの存在感は大きくなっているようだ。

【徳重徹

ドローン事業の本丸はUTMだと私は考えています。別のところでも話しましたが、今後ドローンや空飛ぶクルマの数が爆発的に増えるのは必至。そうなると空の安全を守るための体制を整えなければならなくなります。

既存の仕組みをそのまま運用するだけでは、この変化には対応できません。ATM(航空交通管理システム)と統合や連携する新たなドローンの運航管理システムがどうしても必要になる。

Uniflyはカナダ、スペイン、ドイツ、ベルギーなど8カ国にANSP(航空管制サービスプロバイダー)を中心にUTMシステムの提供実績を持ち、この分野におけるリーディングカンパニーのひとつです。その技術力と信頼性は世界中で高く評価されています。

ただ、Uniflyはヨーロッパ、中東、カナダには展開していますが、アメリカはカバーしていませんでした。ドローンで世界ナンバーワンを目指すうえで、最大市場と目されるアメリカを疎かにするわけにはいきません。

ヨーロッパでは、航空の安全をEASA(European Union Aviation Safety Agency/ヨーロッパ航空安全局)が担っています。そして、アメリカでこの役割を担っているのがFAA(Federal Aviation Administration/アメリカ連邦航空局)です。このFAAが認定するUAS(無人航空機システム)サービスの主要プロバイダーであり、アメリカにおけるUTM市場で圧倒的なシェアを誇るのが、2015年に設立されたAloft Technologiesです。

その地域のナンバーワン企業を買収するというのが当社の方針ですから、私はこのAloft Technologiesをターゲットに定めて、2023年3月に株式シェア35%の取得に成功しました。なお、Uniflyへの出資・連携で得られた経験が存分に生かされたのはいうまでもありません。

ヨーロッパにおけるUTMの制度面では、European Commission(欧州委員会)によりU-Space規制が施行されています。またEU(欧州連合)とEurocontrol(欧州航空航法安全機構)によって設立されたSESAR(Single European Sky ATM Research Joint Undertaking)が次世代ATMと併せてUTMの進化や発展に向けた研究開発に取り組んでいます。一方、アメリカでは長らくFAAとNASA(アメリカ航空宇宙局)が連携して研究開発を行ってきました。

私たちはUniflyとAloft Technologiesを通じて、グローバルとアメリカ、双方の市場にアプローチできるようになっています。

さらに、日本国内においても、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が主導する「次世代空モビリティの社会実装に向けた実現プロジェクト」(ReAMoプロジェクト)にも当社は参画しております。世界のUTMで得た知見を、日本市場の発展にも還元していきたいと考えています。

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