だから医療タダ乗り目的で来日する外国人が絶えない…日本の国民皆保険にあるべくしてなかった「致命的欠陥」

プレジデントオンライン6/11(水)8:15

だから医療タダ乗り目的で来日する外国人が絶えない…日本の国民皆保険にあるべくしてなかった「致命的欠陥」

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yusuke Ide

■持続的な医療制度の再構築を

そんなわけで、外国人の国保未納や診療費踏み倒しもかなりな問題であって、政府も自由民主党も対策に乗り出してきてこの問題を取り上げてよかったなと思うわけですが……。問題は、これからわが国の医療全体が立ち行かないぐらい厳しい状況になっているなかで、どのようにして医療の現場を守っていくのかという本丸についても議論をしていかなければなりません。

仮に制度的に対応が進んで外国人の国保未納問題が解決されたとしても、日本の医療制度が直面する根本的な危機は残ったままです。少子高齢化による医療費の急激な増大、地方の医師不足、診療報酬の削減圧力、そして医療従事者の働き方改革による人手不足など、複合的な課題が医療現場を襲っています。医療のリソース問題は、近い将来大変なことになると思うんですよ。

国保財政の健全化は重要な第一歩ですが、それだけでは焼け石に水かもしれません。団塊世代が後期高齢者となる2025年問題を目前に控え、医療・介護需要はさらに膨張します。外国人問題の「適正化」と並行して、診療報酬制度の抜本改革、医療DXの推進、そして持続可能な医療提供体制の再構築に本腰を入れなければ、世界に誇る国民皆保険制度そのものが瓦解しかねません。政治の真価が問われるのはこれからです。

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山本 一郎(やまもと・いちろう)
情報法制研究所 事務局次長・上席研究員
1973年、東京都生まれ。96年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。東京大学政策ビジョン研究センター(現・未来ビジョン研究センター)客員研究員を経て、一般財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員。著書に『読書で賢く生きる。』(ベスト新書、共著)、『ニッポンの個人情報』(翔泳社、共著)などがある。IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作に携わる一方、高齢社会研究や時事問題の状況調査も。
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(情報法制研究所 事務局次長・上席研究員 山本 一郎)

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