リニアの国家プロジェクトが「たった3%の土砂」で止まっている…JR東海が頭を抱える「静岡の土問題」の隘路
プレジデントオンライン6/12(木)7:15

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Anucha Ruenin
■条例が「適用除外」となるための要件
ところが、当時の森貴志副知事は2023年2月14日の国の有識者会議で、「藤島は工事現場から離れているので適用除外の要件を満たさず、適用除外とはならない。藤島残土置き場計画を認められない」と断固とした姿勢を示した。
適用除外となるにはもう1つ要件があり、こちらは非常に厄介である。
それは、「要対策土を同一事業区域内で処理する」ことである。この2つの要件を満たせば、土壌汚染対策法等で許容されるため、県条例ではその2つを適用除外の要件としている。
同一事業区域内とは、全国新幹線鉄道整備法に基づいて認められたリニアの鉄道事業路線区域内を指している。
将来にわたって要対策土の適切な管理を行うためには、許認可等で認められた同一事業区域内に限定することで、管理の継続性が担保できるというのだ。
他県のリニアの要対策土の処理計画を見ればわかりやすい。
長野工区では、発生した要対策土はリニア長野県駅近くに設ける橋梁の橋脚基礎に使用する予定だ。岐阜工区では、中津川市のリニア車両基地に使うことで協議している。
いずれにしても、リニア鉄道事業で認められた同一事業区域内で要対策土を処理するわけである。
■リニア工事としての使い道がなく、搬出先もない
静岡工区の場合、約8.9キロの地下トンネルが通過するだけであり、そのトンネルの地下や擁壁に要対策土を使うわけにはいかない。
藤島残土置き場はリニアトンネルから遠く離れ、それも単なる盛り土でしかない。リニア事業とは何らの関係もないのだ。
このため県は、要対策土について大井川流域外への搬出をJR東海に要請してきた。
しかし、いちばん近くの処分場までは100キロ程度離れている。そのため、搬出までの仮置き場として新たな土地の確保が必要となり、処分場への搬出のための工事用車両が増加し、往来の騒音、振動、大気質等の環境影響などの点からも合理的ではない、と説明した。
また新たな汚染土壌施設を設置するには汚染土壌処理業の許可を受ける必要があり、静岡市に申請しても供用開始までに長期間を要することが見込まれる、としている。










