今月のインターナショナルマッチウィークで日本が対戦する北朝鮮代表チーム。2010年にワールドカップへ出場したことでも知られるほか、日本出身の選手が数多くプレーしていた事実も有名だ。

今回は、日本で生まれてJリーグで育った北朝鮮代表選手たちをピックアップしてみた。

安英学





北朝鮮代表成績:39試合3ゴール

Jリーグで所属したクラブ:アルビレックス新潟、名古屋グランパスエイト、大宮アルディージャ、柏レイソル、横浜FC

アルビレックス新潟に所属していた2002年に北朝鮮代表デビューを果たしたアン・ヨンハ。立正大学を卒業してから新潟に加入し、ルーキーイヤーからボランチのレギュラーとして活躍した。

2010年のワールドカップ、さらに2011年のアジアカップでもプレーするなど、長年国際試合で中心的な役割を果たし、Jリーグ出身の選手としての先鞭をつけた存在でもある。

李漢宰





北朝鮮代表成績:7試合1ゴール

Jリーグで所属したクラブ:サンフレッチェ広島、コンサドーレ札幌、FC岐阜、町田ゼルビア

現在は町田ゼルビアで強化部に務めているイ・ハンジェ。2001年に広島朝鮮高級学校からサンフレッチェ広島に加入してJリーガーとなり、J2を戦った2003年からレギュラーとして活躍。中盤の様々なポジションをこなせるユーティリティプレーヤーとして貴重な役割をこなした。

広島を退団してからはコンサドーレ札幌、FC岐阜を経てJ3時代の町田ゼルビアへ移籍し、2018年に現役引退。その後もクラブに残り、アンバサダーと強化担当を歴任している。

鄭大世





北朝鮮代表成績:33試合15ゴール

Jリーグで所属したクラブ:川崎フロンターレ、清水エスパルス、アルビレックス新潟、町田ゼルビア

2010年に北朝鮮代表のエースとしてワールドカップに出場した際、国歌が流れるなかで号泣する姿を見せたチョン・テセ。川崎フロンターレで圧倒的なフィジカルを持つ重戦車ストライカーとして話題を集め、2007年に代表入りを果たした。

ワールドカップ終了後はドイツに渡ってボーフムとケルンでプレーし、さらに韓国の水原三星にも所属した。それから清水エスパルス、アルビレックス新潟、町田ゼルビアを経て現役引退し、現在は売れっ子解説者。

梁勇基





北朝鮮代表成績:24試合7ゴール

Jリーグで所属したクラブ:ベガルタ仙台、サガン鳥栖

「ミスター・ベガルタ」の1人と言えるレジェンドのリャン・ヨンギ。阪南大学から2004年にベガルタ仙台に加入し、攻撃的MFとして長く活躍を見せた。

北朝鮮代表には2008年から招集され、東アジア選手権やワールドカップ予選でプレー。2010年の本大会では手続きの問題もあって選手としては参加できなかったが、サポートメンバーとしてチームに帯同している。

金聖基





北朝鮮代表成績:8試合1ゴール

Jリーグで所属したクラブ:セレッソ大阪、ヴィッセル神戸、水戸ホーリーホック、町田ゼルビア、藤枝MYFC

2010年に北朝鮮代表へと招集され、AFCチャレンジカップや2014年ワールドカップ予選、E-1サッカー選手権などに参加した190cmの大型ディフェンダー。

Jリーグではセレッソ大阪やヴィッセル神戸、水戸ホーリーホック、さらに町田ゼルビアや藤枝MYFCでプレー。地域リーグの栃木シティやJFL時代の奈良クラブ、ラインメール青森にも所属した経験がある。

金成勇



北朝鮮代表成績:3試合1ゴール

Jリーグで所属したクラブ:京都サンガFC、ザスパ草津

朝鮮大学校から2009年に京都サンガFCへと加入したストライカー。パワフルなプレーで期待されたものの、Jリーグではそれほど結果を残すことはできなかった。2012年にザスパ草津に所属したのを最後に日本を離れ、タイとインドのリーグで活躍した。

北朝鮮代表としては2010年に初招集され、3試合に出場して1ゴールを記録している。現在はいわてグルージャ盛岡のヘッドコーチ。

安柄俊







北朝鮮代表成績:8試合0ゴール

Jリーグで所属したクラブ:川崎フロンターレ、ジェフユナイテッド市原・千葉、ツエーゲン金沢、ロアッソ熊本

中央大学から川崎フロンターレに加入するという中村憲剛と同じ経歴を持つストライカー。怪我もあってなかなか活躍できなかったが、2017年に移籍したロアッソ熊本で活躍し、北朝鮮代表に選出された。

その後は韓国に渡って活躍。2020年と2021年にはK2リーグのMVPと得点王、ベストイレブンをトリプル受賞している。現在は釜山アイパーク所属。

李栄直





北朝鮮代表成績:23試合1ゴール

Jリーグで所属したクラブ:徳島ヴォルティス、V・ファーレン長崎、カマタマーレ讃岐、東京ヴェルディ、FC琉球、いわてグルージャ盛岡

大阪商業大学から2013年に徳島ヴォルティスへと加入したリ・ヨンジ。その後V・ファーレン長崎、カマタマーレ讃岐、東京ヴェルディ、FC琉球、そしていわてグルージャ盛岡と様々なクラブで主力としてプレーした。

2014年に北朝鮮代表へ招集されたあと、アジア大会やアジアカップ2015、E-1サッカー選手権など様々な大会を経験している。アニメオタクとしても一部で有名。

文仁柱







北朝鮮代表成績:0試合0ゴール

Jリーグで所属したクラブ:ガイナーレ鳥取、FC岐阜

今回の日本代表戦に向けて北朝鮮代表に名を連ねたムン・インジュ。朝鮮大学校から2022年にガイナーレ鳥取へと加入し、昨季はJ3でレギュラーを獲得。印象的なプレーを見せ、今季はFC岐阜へと移籍した。

2020年には北朝鮮のU-23代表に選ばれて東京五輪予選を戦い、今年初めてA代表に招集されている。