昨季王者ヴィッセル神戸を抜き、再びJ1の首位に立ったFC町田ゼルビア。

週末に行われた東京ヴェルディとの「東京クラシック」は、前半から相手を圧倒。5得点を奪う大勝となった。

特に大きな仕事を果たした一人が、4大会ぶりのアジア制覇を成し遂げたU-23日本代表から戻ってきたばかりのFW藤尾翔太。

11分に鋭いクロスで先制弾となるオウンゴールを誘発すると、その後2ゴールを奪い、守っては前線からの激しいプレッシャーで相手の攻撃を遮断。ホームでの5-0勝利に大きく貢献した。

「いいタイミングでボールが上がってきて、ボールの質もすごくよかったので決めきれてよかったです」

29分の1点目をそう振り返った藤尾。鈴木準弥のクロスをダイビングヘッドで合わせた場面だったが、ゴールの鍵はその直前の駆け引きにあったようだ。

「準弥くんのボールが上がってくる前のタイミングで駆け引きは終わらせたかったので、1回相手の後ろに入って、先に入りたいスペースを空けておいて、ボールが来るタイミングでうまく入れたという感じでした」



この時はロングスローではなく近くへ投げた場面。藤尾はマークに付いていた林尚輝を高い位置へ誘い出し、その内側に潜り込む見事な動き出しでゴールを陥れている。

60分に生まれた2点目はPKでの得点。ペナルティエリア内で同じU-23日本代表の平河悠がファウルを受けて獲得したチャンスをきっちりものにした。



これがシーズン5得点目。ただ、前節のセレッソ大阪戦はオ・セフンとミッチェル・デュークがゴールを決め、東京V戦では長期負傷明けのエリキが待望の今季初ゴールを決めている。FWのポジション争いは激化の一途だ。

「FWがみんな点を取っていて、チームにとってはすごく良い状態なので、そこに僕も食らいついてポジションを確保できるように…結果を出せばやっぱりチームは勝ちますし、僕も地位が確立できると思うので、一試合一試合大事にしていきたいと思います」

パリ五輪のメンバー入りに向けて心身共に充実度を増す23歳のストライカーにも注目の町田は、22日(水)にルヴァンカップ3回戦で鹿島アントラーズ、そして週末の26日(日)には浦和レッズと対戦する。