EURO2024のグループE第2節が21日に行われ、ウクライナがスロバキアを2-1で破り、勝点3を獲得。グループ暫定2位に浮上した。

スロバキアは前半17分にイヴァン・シュランツのヘディングで先制。ウクライナは後半9分にミコラ・シャパレンコのゴールで同点に追いつくと、後半35分にロマン・ヤレムチュクのゴールで逆転。グループステージ突破に向けて貴重な勝点3を得ている。

ビルドアップを重視したポゼッションサッカーを体現するスロバキアと、サイドや中盤のプレーヤーを駆使したカウンター攻撃に定評があるウクライナ。対照的なサッカーをする両チームの特徴と長所が見えた好ゲームであった。



前半、主導権を握ったのは第1戦でベルギーに勝利し、勢いに乗るスロバキアだった。

序盤から自分たちの色がしっかりと出たサッカーを展開。強気な攻めの姿勢を見せていた中で特に目立っていたのが17番のルカーシュ・ハラスリンだ。ドリブルで局面を切り開き、多くのチャンスを演出。スローインからトラップし、タイミングを外したクロスで先制点をお膳立てしたプレーは見事だった。

また、この日も中盤のユライ・クツカ、スタニスラフ・ロボツカ、オンドレイ・ドゥダという自慢のミッドフィルダー3人が躍動。クツカは無尽蔵のスタミナで相手の攻撃の目を潰し、攻撃ではどこにでも顔を出しチャンスを演出。ただ守備で貢献していた反面、デュエルでの敗戦も目立ったのが少しもったいなかった。

ロボツカはストッパーとしてチームのピンチを救い、精度の高いパスでビルドアップに貢献。ドゥダは持ち前のゲームメイクのセンスでボールを散らし、アタッキングサード内で猛威を振るった。ディフェンス陣もピンチは多く作られたものの試合を通してみれば悪くはない内容であった。



ただ、後半になると一転してウクライナがペースを掴む。第1戦は停滞した攻撃陣の真価が問われていたところだったが、後半の序盤にオレクサンドル・ジンチェンコの正確なクロスに合わせたミコラ・シャパレンコが点を取ると、後半35分にはシャバレンコがロングボールをディフェンダーの背後へ送り、抜け出したロマン・ヤレムチュクがキーパーとの1対1を制した。

逆転弾となった2点目のシーンで起点となったのが、21歳のセンターバック、イリヤ・ザバルニーのシャバレンコへの縦パスである。ドゥダとロボツカの距離感が少し開いていたこと、シャバレンコが動き出していることを視野に収めたザバルニーの良さが光ったシーンだった。

ルーマニアに0-3で大敗した前節は、1点ビハインドで折り返した後半、スタミナ切れによる集中力の低下によって立て続けに失点。特に左サイドから多くの突破を許し、チャンスを作られていたため改善が急務だった。

その中で迎えた中3日のこの試合では、ジンチェンコが驚異の修正力を発揮。相手の侵入をほぼ許さず、守備で抜群の安定感を見せた。



また、低調なパフォーマンスが目立ったキーパーのアンドリー・ルニンに代わってスタメンを飾ったベンフィカの正ゴールキーパー、アナトリー・トルビンもチームを救うスーパーセーブを連発。彼の存在はこの試合では非常に大きかった。

ルーマニア戦でなかなか思うようなプレーができずに苦戦したミハイロ・ムドリクとアルテム・ドフビクも存在感を発揮できたことは、このチームにとって何よりも大きいだろう。

攻撃の軸として期待された2人だったが、ポストプレーも堪能で、得点力があるドフビクはルーマニア戦で中を締められたことによって存在感を消され、スピード感のあるドリブルでチームに推進力をもたらせるムドリクは相手のサイドバックの好守備もあって、持ち味を出し切ることができなかった。

ただ、スロバキア戦のドフビクは囮になる動きをして、スペースを生み出す貴重な役割を果たした。また同点弾の際には味方の上がりを待つ間に上手くタメを作ったことで、人数をかけて攻め切ることができた。

ムドリクも中へのカットインなどで多くのチャンスを作り出し、スピードを活かしたカウンター攻撃に怖さを足した。特に前半23分付近のドリブルからのミドルシュートのようなシーンで決め切る力がついてくれば、さらに怖さが増してくるはずだ。



この2人が調子を上げ切ることができれば、決勝トーナメント進出も見えてくる。

ウクライナ勝利という結果によって、暫定ながら勝点3で3チームが並ぶ大混戦となった。熾烈を極めるグループEを突破するチームは果たしてどこになるのか。まずは今晩行われるベルギー対ルーマニアの一戦に注目だ(追記:ベルギーが2-0で勝利し、全チームが勝点3で並び最終戦へ)。