先日34歳で現役引退を表明したトニ・クロース。レアル・マドリーで主力として活躍したシーズンを終えたタイミングであり、多くの人々に驚きを与えた。

今回は彼のように「好調なパフォーマンスを見せていたシーズンのあとに引退したスター選手」をご紹介する。

トニ・クロース





引退宣言した年齢:34歳

引退したシーズンの成績:32試合1ゴール

今季限りで現役を引退することを発表したトニ・クロース。自国開催のEURO2024を最後にスパイクを脱ぐことになった。

以前から「燃え尽きるまでサッカーを続けたくはない」と自らのポッドキャストなどで宣言しており、それを有言実行する形での引退となった。

今季もレアル・マドリーにおいては欠かせない選手で、中盤での存在感は抜群のものだった。

エリック・カントナ





引退宣言した年齢:30歳

引退したシーズンの成績:36試合11ゴール

「キング」の愛称で知られたフランス代表のエリック・カントナ。マンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた1996-97シーズンに突如俳優への転身を発表し、引退を宣言した。

キャプテンマークを巻いて圧倒的な勝者のメンタリティを発揮し、絶大なる自信から来る大胆不敵なプレーで数々の栄光を手にしてきた選手が、なんと30代に入ったばかりでピッチを去ることに。

最後のシーズンも彼は36試合で11ゴールを決め、そして映画の世界へと足を踏み入れた。ただ後にビーチサッカーで選手としてプレーし、代表監督も務めたことも。

ランドン・ドノヴァン





引退宣言した年齢:32歳

引退したシーズンの成績:31試合10ゴール

アメリカ代表の伝説的なアタッカー。錦織圭などで有名になったIMGアカデミーが産んた初のスター選手であり、レヴァークーゼンでデビューしたあとに帰国してLAギャラクシーで長く活躍した。

彼が現役を引退したのは2014年。LAギャラクシーの中心選手として活躍するなか、クリンスマン監督が率いていたアメリカ代表のメンバーに入れなかったために2014年のワールドカップ出場を逃す。そして8月に引退を発表し、MLSカップ優勝を置き土産にピッチを去っていった。

しかしそれから2年後に負傷者の続出でLAギャラクシーにて現役復帰。さらに2018年にもメキシコのレオンで復帰しており、2014年以降3回現役引退している。

パヴェル・ネドヴェド





引退宣言した年齢:36歳

引退したシーズンの成績:32試合7ゴール

年齢的には36歳になっていたものの、当時所属していたユヴェントスでは絶対的な存在として活躍し続けていたパヴェル・ネドヴェド。

2006年に八百長スキャンダルの影響で降格処分を受けたユヴェントスに残り、セリエA復帰に貢献。それからも衰えを感じさせない運動量を見せていたが、2008-09シーズンに「家族との時間を過ごしたい」として引退を発表した。

なお、それから8年後に故郷のスカルナ村にあるクラブで現役復帰。息子とチームメイトとなって1試合のみプレーしている。

ユルゲン・クリンスマン





引退宣言した年齢:33歳

引退したシーズンの成績:23試合11ゴール

先日韓国代表監督を解任されたユルゲン・クリンスマン氏。現役時代はドイツ代表でも中心的な存在のストライカーであった。

バイエルン・ミュンヘンで活躍したあと、1997年にサンプドリアへと移籍。イタリアで8試合2ゴールと苦戦したが、冬に古巣トッテナムに期限付き移籍したあとで15試合9ゴールとその実力を見せつけた。

降格の危機にあったクラブをプレミアリーグ残留に導き、そして33歳で現役引退。その後アメリカへと渡ってコーチングとビジネスを学んだ。2003年に少しだけアマチュアリーグのオレンジ・カウンティで現役復帰したことがある。

ポール・スコールズ





引退宣言した年齢:36歳

引退したシーズンの成績:22試合1ゴール

マンチェスター・ユナイテッドで長く活躍してきたポール・スコールズ。アレックス・ファーガソン監督の絶大なる信頼を受け、あらゆるプレーをハイレベルにこなすセンターハーフとしてプレミアリーグを席巻した。

2010-11シーズンの彼は8月にプレミアリーグ月間最優秀選手賞を獲得するなど全く衰えを見せていなかったが、2011年5月31日に突然現役引退とコーチへの就任を発表した。

たださらに驚きだったのはその半年後。怪我人が続出したマンチェスター・ユナイテッドから現役復帰の要請を受け、2012年1月に再びピッチへ。突然だったため、付近のスポーツショップで買ったスパイクを履いてのプレーだったそうだ。

カルロス・ロア





引退宣言した年齢:29歳

引退したシーズンの成績:35試合0ゴール

アルゼンチン代表でも16試合に出場した名GKカルロス・ロアは、「最も奇妙な理由で引退した選手」の1人としても有名だ。

1998年のワールドカップに出場し、その後のシーズンでマジョルカをUEFAカップウィナーズカップ決勝進出に導いたが、彼はなんと30歳になろうかという1999年夏に現役引退を発表する。

セブンスデー・アドベンチスト教会の信仰者であった彼は新世紀に世界が大きな変革を迎えると信じており、そのためアルゼンチンの田舎に引きこもって宗教的な活動に従事していたとのこと。

結局1年後に彼はマジョルカで現役復帰するも、それ以前のパフォーマンスを取り戻すことはできなかった。