『Stay Ahead:スポーツビジネスの先を行く』をテーマに、最新・最先端トレンドを議論する「HALF TIMEカンファレンス2024」が6月19日(水)に都内およびオンラインにて開催された。

2019年に初開催し、今年で5周年を迎えた、国内随一のスポーツビジネスカンファレンス「HALF TIMEカンファレンス」。スポーツビジネスに関わるすべての人に最新・最先端トレンドを届けることを目的に、これまで10回開催され、計3,500名以上が参加している。

今回も、スタジアム集客、ファンエンゲージメント、企業によるスポーツ活用、今後のスポーツビジネスの成長モデルなどが議論された。

ここでは、HALF TIME株式会社の代表取締役、磯田裕介氏のオープニング直後に行われたセッション1『AIによるスポーツファンエンゲージメントの再構築 - Jリーグの事例』を簡単にだが紹介する。



登壇したのは、「Jリーグ」事業マーケティング本部プロモーション部兼マーケティング部兼クラブサポート本部クラブ事業・メディアサポート部の高田佑平氏と、「WSC Sports」日本責任者の中川ベン氏(モデレーター)だ。

WSC Sportsは、AIを駆使したスポーツコンテンツ技術の先駆者として、NBA、ESPN、YouTubeTV、ラ・リーガを含む450のスポーツ組織に対し、ファンとの繋がりを深めるためのAIによるカスタマイズされたスポーツコンテンツ体験を提供しているイスラエルのテック企業。



WSC Sportsのプラットフォームは、コンテンツの作成・管理・配信を自動化し、スポーツ権利保有者がデジタルプラットフォームを通じてリーチを拡大。ファンの増加や収益機会の創出を支援しており、2019年から導入したJリーグだけでなく、ヴィッセル神戸や横浜F・マリノスといったJクラブも彼らのサービスを利用している。

具体的には、試合中からリアルタイムで彼らのプラットフォームに映像を流し、AIが各プレーなどを自動でタグ付け。すぐさま使える映像にすることにより、ハイライトの自動作成など通常コンテンツの短時間化はもちろんのこと、ファンのニーズが高いコンテンツを“熱いうちに”届けやすくなった。



中川氏によると、近年ファンのスポーツ視聴習慣が変わってきているという。とくに若年層はフルマッチの視聴からパーソナライズされたコンテンツへと興味が移っており、スポーツの「ながら見」が定着。試合観戦自体よりもSNSでのスポーツコンテンツ視聴が主流になりつつあるという。

Jリーグもそうした傾向は把握しており、toCマーケティングではまず「未認知」「認知未利用」「離反」「ライト層」「コア層」という階層分けに加え、「未認知」以外の4階層を「低関心」と「高関心」に分けることで9つにセグメント化。重点セグメントを設けながらそれに応じた各種施策を行っている。

ちなみに、その中で最重点セグメントとしているのは「認知未利用」(※Jリーグを知っているが観戦経験なし)の高関心層。その点を踏まえ、昨今のJリーグ施策を振り返ると思い当たる部分が出てくるかもしれない。

そうしたなか、持っているライツを最大限に生かしつつ、セグメントに合わせたコンテンツを制作し、適したSNSで配信することはファン層拡大の一つの肝だ。



2017年からDAZNと巨額の放映権契約を締結し、一方で中継映像の著作権は自ら持つようになったJリーグ。

高田氏によればWSC Sportsのサービスを活用することにより、タイムリーなコンテンツ投稿が可能となり、また過去にJリーグでプレーしていた選手などアーカイブ機能によるコンテンツの量産、さらには制作コストの削減にも繋がっているとのことだった。

なお、セッションの最後には今話題の生成AIによるスポーツコンテンツ制作にも触れられ、WSC Sportsによるプロモーションムービーも紹介されていた。

今回お届けできなかったセッション2〜4を含め、「HALF TIMEカンファレンス2024」はアーカイブ動画が公式サイトにて配信中。気になる方はぜひそちらをチェックしてほしい。

個人的にはセッション4の『Beyond 2024〜企業とスポーツとの関わりの未来を語る』も非常に興味深かった。