大宮アルディージャは19日、2024シーズンからトップチームで活動していた種田陽との契約に関して、双方合意のうえ、契約を解除することになったと発表した。

種田陽(はるひ)は2005年4月28日生まれの19歳。小学生時代から大宮のアカデミーで過ごし、世代別代表にも選出されたことのある将来有望な攻撃的MFだ。

今年のアジアカップで日本代表に帯同したU-19日本代表DF市原吏音とともに今季トップチームへ昇格。3月13日に行われたルヴァンカップ1回戦のFC岐阜戦では、1-1で迎えた84分、右サイドからのカットインで見事な決勝弾を決めている。



今回の発表によれば、種田のトップ昇格にあたっては、当初より今夏にアメリカの大学に進学することを前提として話を進めており、アマチュア契約という形で2024年1月からトップチームの活動に参加していたという。

そして、正式にアメリカの大学への進学が決まったことから、種田は6月1日(土)に行われる J3第15節のAC長野パルセイロ戦をもってチームを離れることになった。

以下は種田と大宮の佐野秀彦代表取締役社長のコメント。

種田陽

「まずはこれまで支えてくださったサポーターの皆さま、スポンサーの皆さま、そして自分を育ててくださったアカデミースタッフの皆さまに感謝申し上げます。それから自分を受け入れてくださったクラブ関係者の皆さま、スタッフ、チームメートにも本当に感謝しております。

10歳からお世話になったこのクラブのトップチームで、約5ヶ月という短い間でしたが、プレーすることができてとても幸せでした。個人としては、チームに大きな貢献はすることができなかったと思いますが、素晴らしい環境でたくさんのことを学び、自分の成長に繋げることができたと思います。今回、留学という選択をした理由は、幼い頃からの夢である世界で活躍するプレーヤーになるために、語学を学びつつ、様々な環境を経験することで自分を高めたいと考えたためです。シーズン中にも関わらず、チームを去ることは非常に心苦しく、自分自身まだこのクラブでプレーしたい気持ちもあり、本当に悩みましたが、視野を広げ、これまでとは異なる環境に身を置くことで、自分を成長させたいと思い、今回この決断に至りました。

最後になりますが、今年の大宮アルディージャは、スタッフ、チームメート、サポーターが本当に最高のクラブだとこの数ヶ月で実感したので、必ず頂点を取ってくれると信じています。自分はアメリカでもっと成長してきます。ありがとうございました。いってきます!」

大宮アルディージャ代表取締役社長 佐野秀彦氏

「種田選手は小さい頃から「海外で活躍するサッカー選手になりたい」という夢があり、U18在籍時からクラブと面談をしてきた中でも、サッカー選手としての成長のために「アメリカの大学に進学したい」という希望を持っていて、クラブとしてもその意思を尊重していました。

昨年末の段階で彼はトップチームに昇格できる実力を備えていましたし、もしアメリカの大学に進学することになったとしても、U18としての活動が年末に終わってそこから9月に大学に入学するまでの期間は高いレベルでのトレーニングや試合ができなくなってしまう状況であったため、本人、ご家族とも相談し、将来的なサッカー選手としての可能性を考えた上で、2024シーズンスタートよりアマチュア選手としてトップチームで活動してもらうことで、クラブとしても彼をサポートできればという思いでした。日々のトレーニングからプロ選手たちに混じって奮闘し、ルヴァンカップではゴールを決める活躍も見せてくれました。

トップチーム昇格後も継続して話し合いを続けてきましたが、このタイミングでクラブと本人、ご家族で話し合いを行い、このような決断になりました。クラブとして彼の挑戦を応援したいと思いますし、選手に寄り添ってそれぞれの希望をできるだけ叶えていくことは、「成長循環型クラブ」として将来的にクラブの成長にもつながると考えています。

彼が将来的に、どのような選手になってどこで活躍するかはわかりませんが、彼が小学4年生から大宮アルディージャのエンブレムをつけて育った事実は変わりませんし、またいつかアルディージャのユニフォームを着てプレーしてくれることを、そして、世界で活躍する選手になってくれることを期待しています」

なお、今季J3へ初降格した大宮アルディージャは、14節終了時点で11勝3分1敗と好調。2位に勝点10差をつけて首位を快走している。