18日に行なわれたUEFAカンファレンスリーグのリール対アストン・ヴィラで、とてもめずらしい場面があった。

フランスのスタッド・ピエール=モロワで開催された試合は、リールが15分にユースフ・ヤズジのゴールで先制し、さらに67分にバンジャマン・アンドレが追加点を奪取。

しかしその後アストン・ヴィラのDFマチェイ・キャッシュがゴールを決め、2試合合計で3-3とタイスコアに持ち込んだ。

そして延長戦まで消化して決着はつかず、勝敗の行方はPK戦に持ち込まれることになった。

めずらしい場面があったのはこのPK戦。アストン・ヴィラのゴールマウスを守るアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスが、いつものように相手選手を挑発するような動きを見せ、ダンスをしたり、サポーターに「黙れ」というジェスチャーをしていた。



それを見た主審はエミリアーノ・マルティネスに対してイエローカードを提示。これは前半38分に続いてこの試合2枚目の警告であった。





ただ、エミリアーノ・マルティネスはこのあともゴールマウスを守り、退場することはなかった。

通常サッカーにおいては「イエローカード2枚で退場」というのは常識的なルールであるが、実は「PK戦に関しては別」なのである。

サッカーの国際規則には「延長戦を含む試合中に出されたイエローカードは、PK戦には持ち込まれない。2つの別々の警告として扱われ、当局に報告される」と書かれており、試合中のイエローカードとPK戦のイエローカードは別物なのだ。

したがってエミリアーノ・マルティネスは退場する必要はなく、そのままプレーを続行することができたというわけである。

そしてアストン・ヴィラはこのPK戦で4-3と勝利。エミリアーノ・マルティネスは相手の2本のPKを失敗させ、チームの準決勝進出に大きく貢献している。