音楽プロデューデューサーであり作詞家の秋元康さんが2005年にプロデュースしたAKB48。 5月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、金曜日担当のCBCアナウンサー山内彩加が、リスナーとと竹地祐治アナウンサーにAKB48「ヘビーローテーション」の魅力について語ります。

     

作詞家・秋元康の世界観

「ヘビーローテーション」はデビュー5年後に発売された、メジャー17作目のシングル。
その魅力を3つのポイントで紹介する山内。

まずは秋元さんの歌詞。
曲名の「ヘビーローテーション」は短い間に何度も繰り返すことを意味しています。
例えば「同じ曲をヘビロテしてる」「大好きなコスメヘビーローテーションしてるんだ」などと使用しますが、この曲は自分の恋人を24時間ずっと考えているという意味合いで使われているということです。

また秋元さんの歌詞では、例えば「フライングゲット」や「大声ダイヤモンド」「ポニーテールとシュシュ」などで「僕」目線が使用されます。

竹地「これを女の子の集団に歌わせてるわけですね」

山内「そこがポイントなんです。AKB応援されている方は男性の方多いですから、その人たちが自分事のように思えるような歌詞を秋元先生が作ってるんだなって感じることが多くて」

ヘビーローテーションには「こんな気持ちになれるって 僕はついているね」など、この曲も僕目線で歌われています。
この秋元さんの歌詞の世界観が好きという方も多いでしょうね。

大島優子のセンターで生まれたパート

当時のAKB48のほぼ全てのセンターは前田敦子さんでした。
シングルを歌うメンバーをファンの投票で選ぶ選抜総選挙では、1位は前田敦子さん、2位が大島優子さんという順位は揺るぎないもの。

しかし「ヘビーローテーション」のセンターを決める総選挙でついに初めてひっくり返り、大島優子さんが1位に輝きました。

そこで大島さんが1位ならと付け足したパートがあります。
それが一番初めの0秒「one, two, three, four!」とエレキギター。
大島さんのイメージは元気で明るいからと、急遽入れたパートです。

山内「あっちゃんがセンターだったらここなしで、I want to〜から入ってたかもしれない」

竹地「となると、いま聴くと、ちょっと物足りない感じになっちゃいますね」

大島さんが1位だからできた歌詞にも注目です。

井の頭線の中で生まれた?

ヘビーローテーションの作曲は山崎燿さん。
当時山崎さんの妻は闘病中のため、気持ちが落ち込んでいる時期でした。
そこで自分を鼓舞するために作った曲がヘビーローテーションです。

秋元さんと仲が良い山崎さんはコンペでこの曲を出したところ「次のAKBの曲に使いたい」と採用されました。
しかしAKB48としては少し盛り上がりが足りないため、1箇所盛り上がるところ作ることを要求されるも、いいものが生まれず悩む山崎さん。

考えながら乗った井の頭線でふと思いき、駅に降りてガラケーに自分の歌った声を録音したものが採用されたということです。

井の頭線で生まれたメロディーは「いつも聴いてた favorite song」から「君だけリクエスト中」の間。
はじめは丸ごとなかったと考えると、全く違う印象になりますね。

熱のこもった解説をした山内は最後にまとめます。

山内「秋元先生の“僕“の信念は残しつつ、大島さんがセンターだったらこそある部分を変えて、妥協せず山崎さんとタッグを組んで付け足したパートで完成した作品なんだ、ということを踏まえて聴いてほしいです」
(ランチョンマット先輩)