今や生活に欠かせないクレジットカードですが、情報流出のリスクと常に隣り合わせです。 5月22日放送『北野誠のズバリ』の「ズバリマネー相談室」のコーナーでは、クレジットカードの不正利用について、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー伊藤勝啓さんが解説しました。

     

流出件数は過去最大

クレジットカードの不正利用による被害はどのくらいあるのでしょうか?

伊藤さんによれば、不正検知システムの開発を手がけるある企業の調査では、2022年のクレジットカードの情報流出件数は、なんと84万件超と過去最大だったようです。
コロナ禍で外出を控え、ネットショッピングの利用が増加したことも影響していると推測されます。

また、被害額は1件あたり数百円から数千円程度と比較的少額であることが多く、被害に気づきにくいという側面もあるようです。

怪しげなサイトは一切利用していないという人も、安心は禁物です。

被害例として、大手ショッピングサイトしか使用していないという利用者が、たまたま利用明細を見たところ、身に覚えのないサービスから2千円程度の請求があったそうです。

そこでカード会社に問い合わせたところ「不正に利用された疑いがある」と認められ、結果的に請求を免れたとのことです。

不正利用の被害を防ぐために

ただし、カード会社に不正利用を訴えても、100%返してもらえるとは限りません。
決済内容が明らかに通常の利用と異なることをカード会社に認めてもらわないといけません。

不正利用が認められそうな例としては、訪れてもいない外国の店で決済されていたり、いきなり高額商品を購入しているといったケースだそうです。

いつもとは違う場所や金額で買い物をした時、後にカード会社から確認の電話がかかってきた経験のある方もいらっしゃるのでは?
身に覚えのある買い物であれば問題ありませんが、この確認は不正利用の予防になっています。

またカード会社から、ネットでの利用停止するとの連絡メールが届くケースがあります。
これは過去に利用したショップ、あるいはフィッシングサイトやなりすましメールからカード情報が漏洩した可能性がある場合の措置です。

カード情報が流出する理由

ではなぜ、カード情報が流出してしまうのでしょうか?

伊藤さんによれば理由はいくつかあるそうです。
広告経由を含めた格安サイトでの決済や、当選詐欺サイトでのカード情報入力、成人向けコンテンツでの決済、海外投資や暗号資産などを含む情報商材の取引、大手企業を騙った偽サイトでのカード情報入力などが原因だそうです。

先に書いた、カード会社からの利用停止メールについても、偽のメールではないか確認する必要があります。

総務省が2021年に公開した不正アクセス行為の発生状況によれば、カードの不正利用では、ショッピングでの不正購入やネットバンキングでの不正送金などが行われているそうです。

またオンラインショッピングの運営事業者も被害に遭っています。
ある民間会社の調査では、直近1年間でおよそ3分の1の事業者が不正購入の被害に遭っているそうです。

カードの不正利用による被害に遭わない、あるいは少しでも被害を防ぐための方法は、やはり毎月の利用明細をチェックするのが一番の対策のようです。
(岡本)
 

北野誠のズバリ
2023年05月22日14時12分〜抜粋(Radikoタイムフリー)