身近な疑問・質問・お悩みを解決する『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリ法律相談室」のコーナー。 4月17日の放送に寄せられたのは、「元カノの家に高価な私物を置きっぱなしにしている」というAさんからのお悩みです。 「LINEはブロックされているけれど、ストーカーだと思われたくないので、日時をしっかり伝えて回収しに行きたい」というAさんに、オリンピア法律事務所の原武之弁護士がアドバイスを送りました。

     

わかるのは彼女の住所のみ

「疑いたくはないのですが、置いてきたものには高価な品もあるので、転売や廃棄されていないか心配です。わかるのは彼女の住所のみ。遠距離恋愛だったこともあり、すぐに取りに行けるわけではありません」(Aさん)

いきなり行ってストーカーと勘違いされるのも嫌なので、日時ぐらいはしっかり伝えて回収しに行きたいというAさん。一体どのように動くのがベストなのでしょうか。

私物を取りに行くこと自体は違法ではないものの、荷物の引き上げと、家の中に入ることには相手の同意が必要となります。

原弁護士「うろちょろしてたら通報されちゃうので、当然事前に言っておかなきゃいけないことになりますよね」

北野誠「ただまあ、ブロックされてますからね」

彼女と連絡を取りにくいのが、最も難しいところです。

原弁護士ならどうする?

他人の私物を勝手に売却することはもちろん違法なので、もし捨ててしまった場合は損害賠償請求を受ける場合もあります。

彼女と連絡が取れたとしても、Aさんが荷物を取りに来ることを拒否したらどうなるのでしょうか。

原弁護士によると、離婚する夫婦でも食器や家電を「渡す、渡さない」で裁判となることもあるそう。

北野「例えばAさんから相談があった場合、原弁護士はどういう手段で彼女に連絡を取るんですか?」

原弁護士「住所がわかるなら郵便で送って、『大事にならないように早く連絡をください』と」

内容証明郵便で「私物を回収したい」と伝え、連絡を待つという方法のようです。

第三者を入れるべき

また、原弁護士が直接引き取りに行き、携帯で依頼者に確認しながら引き上げる場合や、段ボールに入れて着払いで送ってもらう場合も。

相手の住所もはっきりわからない場合は、Googleマップを見ながら「どの辺か教えて」と探すこともあるそう。

北野「本来この案件は、弁護士さんに頼むしかないですよね」

原弁護士「ストーカーと言われかねないので、第三者が入らないと危ないですよね」

北野「誰かに頼まないと難しいですよね、正直」

原弁護士「誰かが入って『ここは譲った方がいいんじゃないですか』『ここは認めてくださいよ』と言わないと。こだわる方は本当に小さな食器ひとつでもこだわりますから。当事者ではなかなか難しい」

高価かどうか、というよりも

原弁護士によると、こういった裁判は結構あるのだそう。

北野「別れてんのやったら、高価なものがどんなんかわからんけど、もう諦めてしまうっていう人はなかなかおらんの?」

原弁護士「いや、高価かどうかというより、多分『何か言ってやりたい』『やってやりたい』っていうことですよね。相手が得してる、っていうのが一番嫌なんです」

何もかもに腹が立つので、ただの話し合いでは解決しないことも多いようです。

結論。Aさん、個人で動こうとせずまずは弁護士事務所に相談しましょう。
(minto)