5月3日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、成城大学文芸学部准教授で専門は民俗学の及川祥平さんを迎え「心霊スポットの実態にせまる」というテーマで放送しました。 リスナーからは「不思議な体験・奇妙な体験」をテーマにしたさまざまな体験が寄せられました。 北野誠と氏田朋子が及川さんとともに投稿を紹介します。

     

解体中の病院に異変が

まずリスナーからの投稿を紹介します。

「我が家の自宅の前にある55年の歴史のある病院が移転になり、現在解体中です。地下1階地上5階建ての全国にある病院。表側の廊下半分は解体。何百人と亡くなった病室。

夜な夜な我が家のベランダから解体病院を見ると、なにやらヒトダマらしきものがふわふわと。おまけに我が家のセンサーライト4か所が一気に全灯したり、次々と点いたり。

ベランダから覗いたら電信柱に夜中に人影。丸坊主で白ランニングシャツ。下半身が見えない。
怒鳴ったらいきなり消えた。あ、走り出したら足がない。車に乗り込みドラレコに映してやろうと気合入れたが見えない。

警察署に『お化け出たから来てください』と言ったら、おまわりさんにひと言『イヤです』と言われました。

今でもたまに見えますが、スマホの画面には映ってるのに映らない」(Aさん)

北野「絶好のチャンスです。これは定点カメラを2階からし仕込んでずっと映しておいてください」

北野は及川さんに「基本的に幽霊は信用してますか?」と尋ねます。

及川さん「私、基本的には信じてないと回答していますが、ただ信じるかもしれない問題として対応しています。いつか私の中でリアリティを持つかもしれないと思っています。今のところその体験がないので」

北野「僕も基本疑ってかかってますからね」

幽霊や心霊に興味があるといっても、スタンスは人それぞれのようです。

トンネルおじさん

続いての投稿です。

「私の職業は発電設備関係。主に電力に従事しています。その中で水力発電所で仕事をするのでダムとは切り離せない関係です。ダムではよく心霊スポットと言われる場所もいくつかあります。

5年前に体験したとあるダムに関する話です。

その発電所に行くにはいくつかのトンネルを超え、湖面に沿った道を進みます。その中の狭いトンネルのひとつに、いつもカッパを着たおじいさんがいます。いつも『危ないな』と思い気になっていました。

ある時、電力事業者にそのトンネルにいるおじいさんの話をしました。
私が『あのトンネルにいるおじいさん危なくないですか?』と尋ねると、電力事務所の担当者は『そうですね、各電力メーカーさんも同じことを言います。でも、大丈夫、気にしないでください。あのおじいさん人畜無害です。だって実在してませんので』」(Bさん)

さらに、その担当者はもっと衝撃的な話を続けるのです。

祠が開く

「『ダムのところにおいてある祠が開いています。近いうちに誰かがやることになります。だから気をつけてください。誰かが入らない限りあの祠、扉が閉まらないんですよね』。

私は言っている意味がよくわからなかったので、安全に仕事ができるように注意勧告程度と思っていました。

が、しばらくすると、そのダムの上から身を投げた方がいました。ダムの湖側でなく、反対側のコンクリート側に。しばらくすると祠の扉は閉まっていたようです」(Bさん)

氏田「ええっ、怖い!」

しかし北野は「すごくよくできてますね。うまい怪談です。いただきました」と冷静。その理由を続けます。

北野「祠は事故とか起こらないように祈願のために祀っているんだと思います。
その祠の扉が急に開いた。何か犠牲者を求めていたのか?じゃ、その祠は本来の意味がないのでは?
祠に何を込めていたのか。祠の意味が逆転しているところがこの話の怖いところです」

ダム建設の犠牲者

Bさんから祠について補足のメールが届きました。

「ダムなどの祠は発電所やダム、敷地内にあります。一般の人は入れない場所にあります。
先ほどの祠は建設時100人近い事故死者が出たためです。だから慰霊塔なども敷地内にあります」(Bさん)

北野「なるほど、事故があるわけですね」

例えば日本で最も巨大なダムとして知られる黒部ダム(富山県)では、建設工事で171人の殉職者を出しています。
ダムにはそんなつらい歴史をもつものも多いようです。
(みず)