全国展開するコンビニエンスストアが日本で誕生したのは、今からちょうど50年前の5月15日。 セブン-イレブンの日本1号店が東京・豊洲で開店しました。 その後、日本で独自の進化を遂げ、今や私たちの生活に欠かせない存在となりました。 一方でコンビニの代名詞とされてきた24時間営業を取りやめ、夜間の営業を休止するお店が全体の1割を超えたと共同通信の調査で報告されるなど、コンビニはいま転換点を迎えています。 5月15日放送『CBCラジオ #プラス!』では、意外と知らないコンビニの歴史と今後について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

     

本家よりも日本の方が進んでいる?

セブン-イレブンはもともとアメリカで氷を売っていた店舗からスタートしました。
やがて牛乳やパンなども販売されるようになり、コンビニの原型のような店舗へと発展していきました。

文字どおり朝7時から夜11時前までの営業により「セブン-イレブン」と名乗り始めたのは、戦後間もない1946年のこと。

その後日本でも出店したものの、本家のアメリカの方が経営が立ち行かなくなり、逆に日本側の会社がバックアップして再建させたというぐらい、日本のコンビニの方が進化したようです。
今では外国人が日本へ来た時「コンビニで買い物をしたい」と思うほどだそうです。

コンビニで初のサービス

進化を続ける日本のコンビニですが、日本初のサービスはコンビニでスタートしたという例がいくつもあります。

例えば、1975年(昭和50年)に開始した24時間営業。
1978年(昭和53年)にフィルムで包んだおにぎりを販売したのも、セブン-イレブンが初めてです。
公共料金が支払えるようになったり、ATMを店舗内に導入するなど、まさにコンビニエンス(便利)なサービスに取り組んできました。

また惣菜や菓子、スイーツなど、プライベートブランドの開発にも力を入れており、中でもファミリーマートではアパレル分野にも力を入れていて、靴下なども販売しています。

全国どの店舗でも一定のクオリティのサービスが受けられるのが魅力ですが、中にはおでんの具が地域によって異なるといった点は、日本の細やかなサービスの特徴が表れていますね。

社会の動きに合わせて変化

社会やライフスタイルの変化によってコンビニもどんどん変化してきていますが、24時間営業の取りやめもそのひとつ。

少子化などによる労働力不足や、働き方改革などで夜中に出歩く人が少なくなったことなどが原因と見られます。

また、レジ袋の有料化など環境問題とも密接に関係があり、フードロス問題では売れ残った恵方巻の大量廃棄を減らす試み辞めたりしています。

コンビニは社会インフラと化し、その必要性はますます高まってきているのですが、最近は店舗数も飽和状態である上に、ドラッグストアとの競合など、厳しい経営環境が課題となっています。
(岡本)