5月19日まで、名古屋市中区の御園座ではスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』の公演が行われています。 三代目市川猿之助が1986年に始めた「スーパー歌舞伎」と、従来の歌舞伎の違いは「3つのS」とのこと。 5月15日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、アシスタントの三浦優奈がこの「3つのS」について語りました。

     

1つ目の魅力はSpeed

スーパー歌舞伎は1986年(昭和61年)三代目市川猿之助さんによって始められました。
今までにはなかった演出や手法を取り入れた「歌舞伎を超えた歌舞伎」と呼ばれています。

では従来の歌舞伎とスーパー歌舞伎の違いは一体なんでしょうか。
三浦は違いを3つのS「スリーS」で紹介しました。

1つ目はSpeed(スピード)。

従来の歌舞伎に比べてセリフが速くなっており、現代のお芝居とほぼ同じくらいのスピード感で進んでいくということなんです。

また立ち回りのスピードも速く、拍子木も従来の1.5倍ほど速いため、殺陣のスピードも速く迫力があります。

舞台転換の時間も短くすることで、観客の昂った感情を途切れなくさせているということです。

2つ目は壮大さ

続いてはSpectacle(スペクタクル)。

壮観、壮大という意味があるこの単語。
スーパー歌舞伎は派手でワクワクする演出があるそうです。

歌舞伎特有の演出のひとつに、俳優の体をワイヤーで吊り上げ空中を飛んで会場内を移動する宙乗りや、素早く役柄を変える早替わりなどがあります。

これに加えて豪華絢爛な衣装を纏って登場したり、レーザー照明やスモークを焚いて幻想的な空間を作り上げたりと、これまでに使ってこなかった手法で観客を魅了します。

3つ目は物語

最後にStory(ストーリー)。
とにかく物語がわかりやすいことが魅力のひとつです。

歌舞伎はイヤホンガイドで解説を聞きながら観る人も多く、特に初めて観劇をする人などはイヤホンガイドがないと物語についていくことが難しい場合もあります。

歌舞伎を観る時はイヤホンガイドをつける三浦。
スーパー歌舞伎では第一幕はガイドを聞きながら、第二幕はガイドを外して観たそうですが、十分話を理解して物語にのめりこめたようです。

わかりやすい理由のひとつは、セリフに現代語が使われていること。
ヤマトタケルでの冒頭のセリフが「おはようございます」といきなり現代語です。
初手からわかりやすい台詞回しで「肩の力を抜いて最後まで見ることができた」と語った三浦。

現代に合わせつつ、従来の伝統の良さも感じられるスーパー歌舞伎。
東海エリアの方はこの機会に観劇してみてはいかがでしょうか。
(ランチョンマット先輩)