8月18日(日)まで、愛知県西尾市の岩瀬文庫で企画展「昔むかしのSDGs」が開催されています。 この企画展では、かつての日本人がSDGsの考え方と似た自然観や文化のもとで生活をしていたことが学べるとのこと。 5月29日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、この企画展について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介します。

     

古文書を多く所蔵する岩瀬文庫

西尾市の岩瀬文庫は『古書の博物館』とも呼ばれる本の博物館。
江戸時代、またはそれ以前の時代の古文書が数多く所蔵・展示されています。

今回の「昔むかしのSDGs」は、たくさんの蔵書の中から、江戸時代の人々が物を大事に使っていたことが伝わる書物等を展示して、先人の知恵や生活を知ろうという企画です。

つボイによれば、時代劇や時代小説では、古くなった紙を引き取る人、燃え残った灰を買い取ってくれる人、また着物から鍋、釜に至るまで様々な修理屋もたくさん出てくるとのこと。

つボイ「江戸時代=何でも使い切る習慣がイメージとしてある」

今回は、江戸時代を描いた古文書の中からSDGsの視点で参考になりそうなものが選ばれ、展示されているそうです。

江戸時代の暮らしぶり

岩瀬文庫のホームページを見て、「挿絵の多い展示が多そう」と小高。
今でいう雑誌やマニュアル本のようなものも所蔵されており、土地の景観から町を行き交う人々の様子などの様々な生活シーンや、農作業の様子、生活の知恵、料理法や健康法などが書かれたものもあるそうです。

小高「文字ばかりの古書についても丁寧に解説されていますし、昔の言葉と言っても日本語ですから。じっくり見ていると自分でも読めるところがありそうで、そういう点でも面白そうですね」

つボイ「今の私たちの生活にも参考になりそうなことがありそうですよね。江戸では庶民に本が出回っていたという歴史にも触れられていますよ」

中には、森林の保全にまつわる資料もあり、資源がなくなってしまわないように管理されていたこともわかります。
とことん物を大切にし、使い切っていた江戸時代の様子がよくわかるものになっています。

最新技術ではなく、先人の知恵に着目

この展示は夏休み中の8月18日まで開催されているため、こどもの夏休みの自由研究の題材として行くのにも良さそうです。

岩瀬文庫のホームページでは、この企画展について次のように紹介されています。

「SDGsと聞くと何だか新しい取り組みのように感じますが、かつての日本人は、SDGsの考え方とよく似た自然観や文化のもとで生活をしていました。先人たちの「豊かに生きる」営みの中には、今私たちが目指す「持続可能でよりよい世界」を達成するためのヒントがたくさん隠されています。
本展では、岩瀬文庫の蔵書を通し、昔の暮らしをSDGsの視点で見つめます」

SDGsに関する展示や企画展は、現代の最新技術を用いた内容のものが多いですが、今回の企画展は江戸時代という昔の人たちの暮らしぶりに着目した切り口の違うものになっています。

単に歴史を学ぶという点だけでなく、江戸時代の人々の暮らしぶりを通して環境や物を大切にするということを学ぶいい機会になりそうだと締めくくりました。
(葉月智世)