大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、広島高裁は、控訴していた元広島市議の 木戸経康 被告の訴えを退けました。

元広島市議の木戸経康被告(68)は、2019年の参議院選挙をめぐり 河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫の 河井克行 元法務大臣から現金30万円を受け取ったとして、1審の広島地裁で罰金15万円・追徴金30万円の有罪判決を言い渡されました。これまでの裁判で弁護側は、「買収報酬の認識はない」などと無罪を主張していました。

22日の判決で、広島高裁の 森浩史 裁判長は、「これまで木戸被告の選挙で陣中見舞いなどをしたことがない克行氏が突如、面会を求めて相当の厚みがある封筒を手渡してきた」と指摘。「趣旨や領収書の要否にこだわることなく渡された現金を受け取ったままにしていたという行動をあわせれば、報酬の趣旨が含まれていることを認識していたと推認できる」などとして控訴を棄却しました。

木戸被告は1審から検察の供述誘導があったと訴えていて、22日の判決後、「検察の違法な捜査の主張が認められなかったことは全く納得できません」とコメントしました。