ジャーナリストの池上彰さんを名乗ってSNSでうその投資話を持ちかけ、男性から現金710万円をだまし取ったとして、中国籍の男(41)が逮捕されました。

詐欺の疑いで逮捕されたのは、中国籍で東京都板橋区南町の会社役員の男(41)です。

警察によりますと、男は別の氏名不詳者と共謀し、2月29日から3月13日までの間、広島県呉市に住む無職の男性(72)に著名人などを名乗ってSNSを使用して「提示した条件を受け入れれば優良株購入に係る特権が付与され、取引所の担当者に現金を交付すれば、優良株が購入でき収益が得られる」などとうそを言い、3月13日に取引所の担当者になりすまして被害者宅を直接訪れて、現金710万円をだまし取った疑いがもたれています。

警察の調べに対して男は「現金を受け取ったことは間違いない。投資の話は知らなかった」と容疑を一部否認しているということです。

警察によりますと、被害を受けた男性は、ジャーナリストの池上彰さんを名乗る人物から「優良株に関する情報を共有する」という内容のLINEメッセージを受け取り、LINEグループに誘導され、池上彰さんのアシスタントを名乗る人物から株式の購入を勧められたということです。

被害を受けた男性は、直接現金を手渡した後にも、3月19日に別に200万円を「カスタマーサービス係」を名乗る人物が指定した口座に振り込んだと警察に説明しているということです。

警察は男の余罪を調べるとともに、共犯関係についても詳しく捜査しています。

池上彰さんをかたった別の詐欺事件では21日、中国籍の男が福島県警に逮捕されています。

池上彰さんはJNNの取材に対し「SNS、あるいはネットで私の名前を騙った詐欺が、いまだにあとをたたないというのは本当に心痛めてます。」
「とにかくご覧の方々、私は投資話は一切していませんから、どうか詐欺にひっかからないでください。」とコメントしています。

広島県内でSNS投資型詐欺に関わった疑いでの逮捕はこれが初めてです。県内でもSNSを使った投資詐欺やロマンス詐欺の被害は急増していて、今年1月〜3月の間だけでも8億9000万円以上の被害が出ていることから、県警が注意を呼びかけています。