中国新聞網に8日、中国湖南省にある「偽札県」の実態を伝える中国新聞週刊の記事が掲載された。
記事によると、同省永州市に位置する道県は「中国偽札犯罪における重点地域」とされている。近年、中国で1年間に押収される偽札の額面が平均約8億元(約134億円)に上る中、道県では2018年以降、省全体の8割を占める2352万元(約4億円)余りを押収。また、同年以降、全国で摘発された偽札犯罪1281件のうち、107件に道県に籍を置く者が関与していたことが明らかになっている。
道県の中で特に寿雁鎮は偽札の製造、流通でその名が広まったこともあり、地元の住民によるとここは2番目の中央銀行を意味する「中国第二人民銀行」とも呼ばれているという。副市長で公安局長の車麗華(チャー・リーホア)氏は、「道県は全国でも数少ない偽札の製造、売買、輸送、所持・使用が『一体化』した地域だ」と述べ、特に寿雁鎮で目立つことを指摘する。
偽札作りには特殊な紙やインクが必要だが、こうしたものはネットなどのルートを通じて手に入れることができる。プリンターの普及も背景にあるといい、SNS上には偽札製造技術を教える「サービス」まで存在するという。
記事はまた、道県公安局に勤務する李偉(リー・ウェイ)氏(仮名)の指摘として、「生産側は加工を担当せず、加工側は販売を担当しない」など犯罪グループが明確な分業制を取っていることを説明。「ピラミッド型を成すグループは上に行けば行くほど隠ぺい性が高く、トップにいるリーダーが偽札を売りさばくルートをしっかり握っている」とし、「道県で偽100元札を作るコストは1枚3〜4元(約50〜67円)、それが10元(約170円)で売れる」「犯罪グループの目は小さい額面の紙幣にも向けられている。人々の警戒心が弱まるため流通しやすく、このことは『より売りさばける』ことを意味するからだ」などとも伝えた。
道県での偽札作りは今に始まったことではなく、1990年代に香港の印刷企業が広東省に多く進出して熟練工を育てたことと関係しているという。記事は「広東では印刷技術を持つ人が育ったが、偽札製造という問題も引き起こされた。道県を離れて働く人の多くが広東を目指す中、その一部が犯罪に関わり始めた」と説明し、前述の李氏が「近年の摘発では『家族式』という特徴も見られる」と語っていることにも言及した。(翻訳・編集/野谷)