中国メディアの観察者網によると、米国大使館が微博(ウェイボー、中国版ツイッター)に、米国に入国するための査証を求める中国人学生を「家の外に出たがる犬」に例える投稿をした。この投稿には批判の声が集まったため、大使館側は投稿を削除し、大使館関係者が謝罪した。
米国大使館は微博の公式アカウントを通じて、「春暖かくなり、花が咲きました。あなたはこの犬のように、遊びに出かけるのが待ち切れないのでしょうか。米国駐中国大使館は、留学ビザの申請受付業務を段階的に回復していますよ。待つことはありません。急いで準備をしましょう!」との投稿を発表した(原文は中国語)。
この投稿には、囲いの外に飛び出そうとする犬の動画が添えられていたという。投稿日付は5月5日だった。ニューヨーク・タイムズによると、微博には「米国政府は故意に中国人学生を犬に例えて侮辱した」との声が寄せられた。中国メディアの環球時報(英語版)は、米トランプ前大統領の査証関連の政策と合わせて米国大使館の投稿を批判する記事を発表した。
米放送局NBCは7日、大使館関係者が「軽いユーモアのつもりだった。本来の意図とは違う受け止められ方をされていることに気づき、削除した」と説明したと報じた。大使館関係者はさらに「われわれは全ての中国人に対して、深い敬意を抱いています。学生に対してもそうです。もし、軽率なことをした者がいたとすれば、謝罪します。これは絶対に、われわれの本心ではありません」と述べたという。
英国通信社のロイターはこの問題について「米国文化の中で犬は基本的に、肯定的な意味を持っている。しかし中国の文化や言い回しでは、犬はたいていの場合、否定的に扱われる」と、米中双方の犬に対する受け止め方の違いを指摘した。
ニューヨーク・タイムズは「憎めないが拙劣な試みだったが、折しも中国のインターネットでは民族主義の感情が高まっており、人種差別主義との批判を引き起こした。さらに中国共産党の強大な“宣伝機器”により拡散された」と評した上で、「大使館は迅速に削除して謝罪したが、すでに損失を出しており、米中の外交関係における新たな“とげ”になった。両国の外交関係は非常に困難であり、過去数十年で最も微妙な時期にさしかかった」と指摘した。(翻訳・編集/如月隼人)