豪雨による洪水被害に見舞われた中国河南省鄭州市を取材していたドイツ人記者らが地元の市民に取り囲まれる事態が発生した。

取材をしていたのはドイチェ・ヴェレのMathias Boelinger記者ら。現場で撮影された映像には、カメラに向かってリポートする同記者の周囲で市民らが「CNNかBBCじゃないのか?」などと声を上げ、「CNNなのか?。CNNは中国を攻撃している!」「私たちが怒っているのはBBCの記者が一部を切り取って報道し、洪水被害の事実ではなく、侮辱し、デマを流し、攻撃しているからだ」などの声を浴びせる様子が映っている。

また、別の男性は同記者らに「報道しても良いが真実をだ、真実を。中国に対して良い見方を報道してくれ。私たちを攻撃するな」とまくし立てた。同記者が「では、あなたを取材させてもらえますか?」と尋ねると、「ああ、いいとも」と答えたもののすぐに言葉を翻し「取材は受けない。私はあなたが嫌いだ!」と言ってその場を離れた。

騒動後、Boelinger記者はツイッターに「怒った暴徒に囲まれた」と投稿し、経緯を説明。現場にいた別の女性記者も「怒った群衆に取り囲まれ、ここは中国だ、中国から出ていけと叫ばれた。私は事態をエスカレートさせないようにした」とつづった。

これに対し、観察者網の記事は「映像の中では誰も記者を威嚇していないし、誰も『中国から出ていけ』などとは叫んでいない」と指摘。「市民はただ和気あいあいと外国人と話しをしているだけ。彼がどこから来たのか尋ね、客観的に事実を報道してほしいと求めた。これは取材対象者として当然の権利だろう」と主張した。

さらに、「鄭州の市民はこの外国人記者に中国に泥を塗らず真実を報道するよう順序だてて説明したにもかかわらず、帰宅した途端に市民らを暴徒などと形容した。どこが暴徒なのか。彼らは人前ではニコニコし、陰では濡れ衣を着せるのだ」と非難した。(翻訳・編集/北田)