中国政府が義務教育の対象である小中学生の学校外での負担軽減を図るため、オンライン学習塾などに対する規制強化に大きくかじを切った。教育業界には衝撃が走り、関連企業の株価は急落。中国メディアは「出生率が低いという現状の改善の一助にもなる」と報じた。

中国網によると、激増する需要を受け、エドテック(EDTECH。EDUCATION=教育とTECHNOLOGY=技術を組み合わせた造語)業界が急発展し、中国の新消費の台頭における「金のなる木」になっている。ある統計データによると、過去1年だけで100億ドル(約1兆円強)ものベンチャー投資が中国のエドテック業界に入り、数百社のスタートアップ企業、アプリ、エドテックプラットフォームを生んだ。K-12塾、小学教育、言語技能、音楽などの教育サービスを提供している。

コンサルティング会社のフロスト&サリバンは、中国のエドテック業界の市場規模は今年8000億元(約13兆円)を超えると予想。これは子ども抱える若い世帯に大きなコストの圧力と経済的な負担を生んでいる。

2016年時点で中国では6歳から18歳までの75%以上が放課後に何らかの個別学習指導を受けていた。教育費が家計の重しになっていることが少子化につながっているとの見方から、当局は圧迫を緩和しようとしている。

国営新華社通信が伝えた政府と共産党の通知によると、学校教科の個別学習指導を提供しているすべての機関は非営利団体として登録され、事業を展開する新たな免許は今後発行されない。株式の新規上場も禁じる。文書は7月19日付で、中国国務院(内閣に相当)が地方政府に配布。家計負担を1年以内に「効果的に」、3年以内に「大幅に」削減することを目標としているとした。

今回の措置で当局は外国からの教育銘柄への投資も制限。ロイター通信によると、香港や米ニューヨークの株式市場で関連企業の株式が売り込まれた。新東方教育科技の香港市場上場株は一時50.4%急落し、昨年末の上場以来の安値を更新。中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディングや検索サイトの百度などの米市場上場株も売られた。

中国網によると、一連の措置に関する記者からの質問に教育部の責任者は「塾のガバナンスにおいては依然として根本的な問題が解消されていない」と指摘。「まず規模と総量が膨大で、学校の正常な教育の秩序を乱す恐れがある。次に法律・規則違反が目立ち、人民の合法的な権益を大きく損ねている。それから資本に支配される状況が深刻で、教育の正常な生態を破壊している。将来的に塾管理に新たな状況や問題が生じた場合、国は関連法律・法規・制度をさらに改善する」と回答した。(編集/日向)