2021年8月1日、中国のニュースサイト・観察者網に、東京五輪に出場した大坂なおみをめぐる日本世論の反応から、日本人の東京五輪に対する態度について論じた文章が掲載された。以下はその概要。

東京五輪テニス女子シングルスで、開会式に最終聖火ランナーを務めた大坂なおみがベスト8に入れず敗退する波乱があった。この波乱は一時日本のSNSを席巻し、大坂に対する批判が噴出。「東京五輪の汚点だ」などと辛辣な言葉を浴びせるネットユーザーすら出現した。

5月に大坂が全仏オープンで試合後の記者会見を拒否し、その後大会を棄権した際も日本のSNS上で議論が起きた。大坂に同情するファンもいたが、一方で多くの日本人は「無責任で、日本人としてのメンツを潰す行為」などと批判し、大坂に「わがまま」「自分勝手」というレッテルを貼った。昨年、フロイド氏事件に抗議すべく大坂がシンシナティオープンを棄権した際も、米国で称賛を浴びた一方で日本のネットユーザーの多くは「アスリートは政治に深く介入すべきでない」との批判を示していた。

大坂に対する一連の反応は、単一民族国家である日本の「ハーフ」に対する矛盾した心理をあぶり出している。大坂のように優れた身体能力を持つ「ハーフ」の選手の活躍に歓喜し、羨望(せんぼう)する一方で、日本の大衆は心理的に彼らを「身内」として受け入れていないのである。日本社会で「ハーフ」は純粋な外国人と同じように差別、排斥を受けており、あるときには外国人よりもひどい扱いを受けるのだ。

皮肉なことに、日本政府が日本社会の多様性をアピールすべく大坂を最終聖火ランナーに抜てきしたことに対し、日本のネットユーザーからは「政府は何の権利があって、日本語すらまともに話せない人物を日本の代表に選んだのか」との不満が飛び出した。そこからは、少しでも新型コロナによる損失を挽回すべく五輪開催を押し通した日本政府と、感染状況の拡大を憂慮して中止、延期論が主流を占めていた日本の民衆との間に存在する「東京五輪」に対する溝が見て取れる。

新型コロナが世界を席巻する中で、人類社会は心を奮い立たせるようなプラスのパワーを必要としている。五輪憲章でも差別を拒否し、相互理解、友好、団結、公平を体現する精神がうたわれている。五輪の聖火が分裂や恨みの導火線に点火することなく、その精神によってみんなで困難を乗り越えていくことを激励する炎であることを願いたい。(翻訳・編集/川尻)