中国の大手ニュース・情報サイトである騰訊網などが、「日本人がノーベル賞をまたも受賞、なぜ韓国メディアは憤激するのか?」と題する文章を掲載した。同文章では、韓国人がノーベル賞を受賞できない理由の一つとして「非科学的な情緒が優先されるから」として、慰安婦問題に関連する反応も取り上げた。

文章は、2021年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏など米国籍になった人も含め、日本出身のノーベル賞受賞者は28人に達し、うち物理学賞は12人と紹介。

文章は、これまでノーベル賞を受賞した韓国人は、「北朝鮮との平和と和解」などにより平和賞を受賞した金大中元大統領だけで、韓国人科学者はノーベル賞とは無縁の状態が続いてきたと指摘。

21年にもノーベル賞の授賞者発表の時期が近づくにつれ、韓国の人々は自国研究者の受賞を期待するようになった。具体的には、1976年に韓国出血熱の病因となったハンタウイルスをセスジネズミから発見し、その後ハンタウイルス予防ワクチンの開発にも成功したイ・ホワン高麗大学名誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞するのではと期待され、学術情報を扱う米国の会社もイ名誉教授をノーベル賞候補者16人のうちの1人としていたという。

一方、韓国における対日感情にも触れて、「長期に渡り、さまざまなことで(自国と)日本との比較をしてきた。ノーベル賞の獲得については日本人が28人で韓国人は1人。韓国人はノーベル賞を渇望している」などと論じ、最終的には「韓国人にとって実に残念なことに、受賞者の中にイ・ホワン高麗大学名誉教授は含まれなかった」と紹介した。

続けて、韓国人がノーベル賞を受賞できていない理由を分析すれば、3つの原因が挙げられると主張。第1点は基礎科学に対する関心が欠乏していることであり、次に公的あるいは民間による支援が乏しいために、研究環境に問題があることと主張した。さらに第3点としては「社会の雰囲気、特に非科学的な情緒が科学的な論理や理性よりも優先されること」と論じた。

「非科学的な情緒優先」の例として、しばらく前に米国人学者が慰安婦問題の歴史についての論文を発表した際に、韓国社会は科学的に反論することをせず、感情的に悔しさを表明したことを挙げた。

文章は韓国人のノーベル賞受賞の可能性について「このような雰囲気の社会において、論理と理性を重視する『科学的思考』を育成することは不可能だ。社会制度を超越した少数の超人あるいは天才の出現を待つしかない」と主張した。

最後の部分では、中国の状況についても論じた。まず、世界最大の人口を持ち、近年では欧米を上回る科学研究費を投じている中国が、最も重要な科学賞であるノーベル賞については、受賞者がまだ1人しかいないと指摘。中国は基礎科学や理論科学の研究をさらに強化せねばならず、社会が良好な雰囲気を提供することも必要と論じた上で、「成果を急いではならない。中国は50年後に、ノーベル賞の30人受賞も可能だと信じる」と主張した。(翻訳・編集/如月隼人)