2022年6月24日、韓国・京郷(キョンヒャン)新聞は「21日に韓国独自の技術で開発した韓国型ロケット、ヌリ号(KSLV-2)の打ち上げが成功し、韓国航空宇宙研究院の科学者への賛辞が相次いでいるなか、『ヌリ号の成功に隠された不都合な真実』という書き込みが物議を醸している」と伝えた。

記事によると、ヌリ号打ち上げ翌日の22日、社会人向けの匿名コミュニティーアプリ「Blind」に、「ヌリ号成功に隠された不都合な真実」と題した文章が書き込まれた。書き込みによると、博士課程を終えたばかり研究員の年俸は約5200万ウォン(約545万円)で、研究員は深夜2〜3時まで働いても週末に出勤しても手当がもらえないという。

同院の関係者の話では「40代半ば以下の研究員基準で、同じく政府研究機関である韓国電子通信研究院や韓国原子力研究院よりも年俸が約1000万ウォン少ない」という。公共機関の経営情報公開システムに上がっている職員平均報酬を見ても、やはり航空宇宙研究院(9500万ウォン)は原子力研究院(1億200万ウォン)や電子通信研究院(1億1500万ウォン)より低い。

また、打ち上げ日に向けて研究を進めなければならない特性上、航空宇宙研究院は夜間や休日の勤務が多いが、まともな補償はないという。別の関係者は「勤務時間は流動的だが事実上、包括的な賃金体系となっている」と話している。休日出勤や残業に対する手当がきちんと払われておらず、研究員の不満が膨らんでいるという。さらに、出張の際の交通費、宿泊費、食費も、物価を考慮すると十分とは言いがたい額しか支払われていないという。

韓国航空宇宙研究院労働組合は来週、研究員の待遇改善問題について立場を明かす予定だ。

この記事に、韓国のネットユーザーからは「他国に比べて少ない予算で短期間のうちに成功したということは、人を犠牲にしたということだ」「この国にはやりがい搾取を愛社精神、愛国心で取り繕う伝統がある」「堅固な理工系があってこそ、富強な国が実現できるというのに」「研究員の血と汗を大切にしなければならない。科学強国は、ひとりでになれるものではない」「文化強国の次は科学、基礎科学こそが進むべき道だ。まず社会認識から変えていかなければ」「この国を支えているのは医者でもBTSでも判事や検事でもなく、黙々と働くたくさんのエンジニアなのに、待遇や認識は本当にひどいものだ。理工系のブレーンが海外に流出してしまうのも理解できる。ここを改善しないとこの国に未来はない」「こういう優れた人材には働きに見合った報酬を支払わないと、今後、韓国の科学分野の発展も未来もない」「全研究員に賞与を出すべきだ。少しも惜しくない」など、怒りの声と、科学者に対する正当な待遇を求めるコメントが殺到している。(翻訳・編集/麻江)