2022年9月28日、中国メディア・ZAKERに、中国で廉価なシャインマスカットが出回るようになった一方で、以前ほどおいしくなくなったと感じることが多い理由について紹介する文章が掲載された。以下はその概要。

ぜいたく品だったシャインマスカットが突然、大衆的な食べ物になった。数年前に初めて中国にお目見えした時は500グラムで300元だったが、今ではスーパーで10元程度、大型の青果市場では5〜6元のものまで見られるようになった。

ここまで値段が下がったのも、必然だと言える。がっぽりもうけられるシャインマスカットは瞬く間に中国各地で栽培されるようになり、栽培面積は雪だるま式に増えていった。これが価格下落の最大の原因だ。

しかし、「かつての“果物の貴族”が今や手軽に食べられるようになった」と喜ぶのは早い。安いシャインマスカットを買ってみると、想像とは程遠く、バラのような香りがしないだけでなく渋味まで感じるのである。中国国産のシャインマスカットは、価格が二極分化すると同時に、品質も二極分化したのだ。

自然環境が異なれば、シャインマスカットの品質や風味も大きく変わる。例えば浙江省金華市で育ったものは粒が大きく黄緑色だが、河北省石家荘で育ったものは小粒で青緑色だ。食感にも差があって、強い風味を感じる要素の固体酸比は金華産のほうがはるかに高い。

そしてまた、各栽培拠点の栽培拠点も玉石混交状態だ。粒を大きく、生産量を多くするために一部の栽培者は風味を犠牲にしている。日本で作られるシャインマスカットは木くずやクルミの殻など植物由来の有機物を多く使用しているのに対し、中国では多くが動物のふんを使っている。また、コストを抑えるためにリン、カリウム、カルシウムといった無機肥料を使っている。これらの肥料を使えば粒は大きくなる上収穫量も増えるが、香りが失われ、爽やかさが弱くなってしまう。さらには膨張剤を使う農家もいるが、粒が大きい代わりに香りが失われ、果実の中に空洞ができてしまう。

ほかにも、3〜5月に売価が最も高くなることに目をつけた早摘みも広く見られる。完全に熟す前に摘み取ってしまうことで、食感や風味が大きく損なわれてしまうのだ。摘み取るのが20日早いと、糖と酸の比率が大きく変わってしまう。「甘くない、ちょっと渋い」などの悪評がついたシャインマスカットは、早摘みのものである可能性が高いのだ。

どれだけ手間がかけられ大事に育てられた絶品のシャインマスカットであるか否かは、その価格に自ずと示されているのである。(翻訳・編集/川尻)