台湾で1日から新型コロナウイルス感染症対策として求められていた屋外でのマスク着用の規定が撤廃された。域内の感染状況が落ち着きつつあることを受けた措置で着用が不要になるのは約1年半ぶり。「ゼロコロナ」政策で厳しい行動制限が続き、市民の不満が噴出している中国本土とは対照的だ。

台湾・中央通信社によると、新型コロナ対策を担う衛生福利部(衛生省)中央流行疫情指揮中心は11月28日、マスク着用の規定を12月1日から緩和し、屋外での着用義務を撤廃すると発表した。指揮中心の王必勝指揮官は域内の新規感染者数の減少が続き、感染状況が既に「社区(コミュニティーや地域の単位)低度流行」の段階に落ち着いたと判断したことから、マスク規定の緩和を決定したと説明した。

指揮中心は昨年5月、新型コロナの防疫規定に違反した場合の罰則を強化。外出時にマスクを着用していない人に対しては、着用の勧告を経ることなく罰金の支払いを命じるとしていた。その後、マスク着用の規定を段階的に緩和したが、屋外では一部の例外を除いて常時着用を義務付けていた。

年末のカウントダウンなど大規模イベントについては、感染状況を見て判断するが、外出する際、公共の交通機関を含む屋内ではマスクの着用を引き続き求める。運動時や撮影時、飲食時など例外として外すことが認められる条件には、歌唱時が新たに加えられた。不特定の相手と社会的距離が保持できない場合にはマスクを着ける必要がある。

体が弱い人や基礎疾患を抱えている人、発熱、呼吸器症状がある人は人が密集している場ではマスクを着けるよう呼び掛けた。

一方、「ゼロコロナ」が維持されている中国本土では11月末、首都北京や最大の経済都市・上海などで「白紙」を掲げて行動制限に「ノー」を突き付ける一般市民の異例の抗議行動が相次いだ。「白紙」には言論統制への不満が込められているとされる。

ロイター通信などによると。北京では習近平国家主席の出身大学の清華大学でも学生たちが抗議の声を上げた。学生の一人は「(抗議しないと)清華大学の学生として一生後悔してしまう」と話したという。

これに対し、中国外交部の趙立堅報道官は11月28日の記者会見で、「中国は一貫して『ゼロコロナ』政策を採り、常に現状に応じて調整をしてきている」と述べ、共産党の指導によって感染を抑え込む考えを強調。中国当局は北京や上海などで人が集まりそうな場所にあらかじめ警官隊を配置するなど抗議活動を徹底的に抑え込む構えを見せている。(編集/日向)