中国で子どもたちが自宅で学べる自主開発の「スマート学習機」が保護者の人気を集めている、と中国メディアが報じた。業界関係者は情報化時代を背景とした中国教育の近代化の重要な実践の一つになるだろうとみているが、背景には中国当局が学習塾の規制に乗り出したことも見え隠れしている。

中国通信社(CNS)にとると、中国最大のEコマース商戦である11月11日の「双11(ダブル11)」で発表された主要な電子商取引プラットフォームの販売ランキングで、消費者から好評を得たのが中国自主開発の「スマート学習機」だった。

「スマート学習機」は「家教機(ホームスクールや家庭教師用に特化した端末)」や「子ども用タブレット」「学生用タブレット」などの製品を指す。そのハードウエアとソフトウエアの設計はタブレットと似ているが、内容は知識分類に基づき学習リソースを提供したり、リアルタイムの質問応答サービスを提供したりする。

近年、中国自主開発の学習機の販売は爆発的に増加している。中研産業研究院のレポートによると、2021年から2025年までの中国の学習機市場は毎年15%の成長率で安定的に拡大し、25年には875万台に達し、20年の2倍になると予測されている。

中国の学習機業界は、近年大幅かつ急速に変化している。21年7月、当局が義務教育段階(小中学校段階)における学校での宿題の量の軽減と学習塾など校外補習の負担の軽減を目的とした「二つの軽減政策」の実施以降、子どもたちは自主学習や趣味の育成により多くの時間を費やすようになった。

その一方で一般的な親にとっては、子どもの学習を指導するには一定の困難がある。さらに、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)期に、子どもたちはオンライン学習の習慣をつけてきた。こうした中で近年、中国の教育用スマートハードウエアの需要が急速に増加し、中国の教育系企業やインターネット大手企業が次々と参入している。

現在のヒット商品である学習機は、伝統的な学習機器や通常のタブレットデバイスとは異なり、単なる「デジタル支援教育」デバイスではない。デジタル教科書や動画レッスンなどの無料コンテンツの提供のほか、そのAI(人口知能)機能が消費者の注目を集めている。

AIは学習機に内蔵されたカメラとマイクを通じ、手書きの文字、数字、音声を認識し、まるで目と耳を持っているかのように、作文の添削や数学の難問の解析を行い、さらにはユーザーと英語で対話を行うこともできる。

CNSは「学習機を購入したからといって、子どもが自主的に授業を受け、学習できるわけではない。親の同伴や監督がなければ、AIの補助があっても、子どもが一人でデバイスを使って学習するのは依然として難しい」と指摘。中国市場では小学生の保護者がスマート学習機器の主要な消費者層だという。(編集/日向)