2023年12月1日、中国メディアの毎日経済新聞は、中国・上海市の女性が両親の死去により多額の遺産を相続した途端に夫が離婚を申し入れるとともに、配偶者として遺産の分配を要求する訴訟を起こした事例が世間の注目を集めたと報じた。

記事は、中国のSNS上で30日に「上海の一人っ子の女性が2億元(約40億円)の遺産を相続後離婚される」というハッシュタグがトレンドワードランキング1位になったと紹介。地元上海メディアの報道内容を伝えた。

報道によると、裕福な家庭に育った女性は28歳で外資系企業の管理職。会社の年次総会を開催したホテルの担当者だった29歳の男性が女性に一目ぼれして猛烈なアタックを仕掛け、半年後に女性がプロポーズを受け入れて結婚した。

結婚してしばらくは幸せな時間が流れたものの、女性の両親が旅先で交通事故に遭って死亡。夫となった男性の支えもあって葬儀を済ませ、日常の仕事と生活に戻ろうとしたある日、裁判所から「夫が性格の不一致を理由に離婚の申し立てを行った」との通知が来た。すぐに夫の携帯電話に連絡するも相手の電話は電源が切れたままで、急いで家に戻ってみると夫はすでに荷物をまとめて家を出ていた。

女性は弁護士に相談し、亡くなった両親には不動産や預金、金融商品など計約2億元の遺産があり、一人っ子で両親の祖父母もすでに他界していること、両親が生前に遺産相続に関する遺言をしていないことから、法に基づき女性が唯一の遺産相続人になるはずだと認識していることを話す中で、女性は夫が大学時代に法律を選択科目として履修し、暇な時には法律関係の本を好んで読んでいたことを思い出す。そして後日、女性は裁判所から相続した遺産の分割を求める男性による追加訴状を受け取ったという。

かくして裁判所で「再会」することになった2人。開廷当日、裁判所の外で女性は夫に「もし両親が生きていたら、もし両親に多額の遺産がなかったら、それでも私と離婚するつもりだったのか」と聞くと、男性は「2人の間にもはや愛情はなかった。両親が亡くなったこととは何の関係もない」と回答。女性が「それならどうして私の親の遺産をよこせなどと言うのか」と聞くと、男性は「どうして?そりゃ結婚したからだろう」と言い放って去っていった。

記事によると、ある弁護士は今回のケースについて「別段の定めがない限り、婚姻関係にある一方当事者が相続した遺産は双方共通の財産であり、離婚した場合には相手方にも分割する権利が存在するということはあまり知られていない。トラブルを避けるためには、両親が元気なうちから相続相手を指定し、夫婦共通の財産としない旨を記載した遺書を作ってもらうことだ」との見解を示している。(翻訳・編集/川尻)