インターネットオークションを手掛ける米国の競売会社のPRオークションはこのほど、毛沢東ら中華人民共和国建国期の多くの国家幹部がサインした宴会メニューが27万5000ドル(約4000万円)で落札されたと発表した。初めて訪中したパキスタン首相のもてなすために中国が1956年10月19日に催した歓迎宴のメニューで、保存状態は極めて良好という。

メニューには中国共産党主席などを務めた毛沢東、首相などを務めた周恩来、非共産党員でありながら軽工業相などを務めた黄炎培、全国人民代表大会常務委員長などを務めた彭真、国務院常務副首相などを務めた陳雲、中国人民解放軍の建軍の父と呼ばれ元帥の称号を与えられた朱徳による、万年筆による署名がある。また、スフラワルディ首相の署名もある。

印刷されている料理名は「燕の巣とキクラゲのコンソメスープ」「ふかひれの醤油煮込み」「三色野菜ロール」「スパイシーフライドチキン」「精進焼きそば」「北京ダック」「クルミとデーツのクリーム」「菓子」「果物」だ。

スフラワルディ首相及びパキスタン代表団は中国側と、石炭と綿花のバーター貿易、産業発展や水利の改善、技術者育成などについて議論した。スフラワルディ首相らは当時、中国は覇権主義の道を歩むのではないかと考えていた。外相を兼任していた周恩来首相はパキスタン側の懸念を払しょくするために、中国も西洋の植民地支配の犠牲になった国であり、現在は相互尊重に基づく平和共存の精神で全ての国と産業の発展を追求したいと望んでいると述べ、さらに、中国の現在の指導者による教育が、中国の将来の世代が戦争や侵略を行わないことを確実なものにすると述べた。

中国とパキスタンはその後、インドという“共通の敵”が存在したこともあり、極めて親密な関係を構築した。中国とパキスタンの親密な関係は現在も続いている。中国とパキスタンの国の指導層がこぞってサインしたメニューは、アジアの東部と南部のその後の国際政治の推移を象徴するものとして、極めて貴重だ。

中国共産党の指導者が署名した関連コレクションは、国際的なオークションで高額で取引されている。2017年には、毛沢東が1975年に古典文学研究家の蘆荻聊氏と会話した際に手書きで書いた詩が70万4000ポンド(約1億3000万円)で落札された。19年には毛沢東が自筆で書いて新華社の記者に送った署名入りの書簡が52万ポンド(約9500万円)で落札。この書簡は1948年に、国共内戦に関連して書かれたものだ。毛沢東の筆跡は「毛体」と呼ばれる特殊な書体であり、多くの人が「毛体」を練習していることも人気の理由の一部にあるとされる。

周恩来の書も、高値で取引されることがある。2023年には中国嘉徳香港のオークションでは周恩来の書簡とその封筒が240万香港ドル(約4500万円)で落札。また18年に北京の中国嘉徳が北京で行ったオークションでは、周恩来が書いた「百花斉放」の4文字が、63万2500元(約1300万円)で落札された。(翻訳・編集/如月隼人)