2024年3月24日、第一財経は、日本の小林製薬が製品の回収を発表した紅麹原料について紹介する記事を掲載した。

記事は、小林製薬が22日、中国の消費者向けに日本で発生した「紅麹コレステヘルプ」の自主回収に関する情報を発信したと紹介。当該製品の紅麹原料について分析を行ったところ、想定外の成分が含まれていたことが分かり、摂取後に腎臓疾患を引き起こす可能性があると説明するとともに、一部製品が各種越境ECプラットフォームを通じて中国本土でも流通しているとして注意を呼び掛けたことを伝えた。

また、同社は当該製品以外にも関連成分を含む2種類の製品についても日本で自主回収を行っているほか、同社が問題の紅麹原料について自社製品に用いられているのは2割程度で、残りの8割は他社製品向けに供給されていることを明かし、24日に宝酒造が酒類製品1品目について小林製薬製の紅麹を用いていることから自主回収を発表するなど、影響が広がっていることを紹介した。

その上で、紅麹について紅麹菌をコメなどで繁殖させることで作られ、中国では紅麹や紅麹を用いた酒が古くより栄養豊富で健康に良いと珍重されてきたと解説。1979年には日本の遠藤章氏が紅麹菌から活性物質「モナコリンK」(ロバスタチン)を発見し、85年にはモナコリンKなどのスタチン製剤によるタンパク質合成抑制作用を発見した功績により米国の研究者がノーベル生理学・医学賞を受賞したことで世界的に紅麹が注目されるようになったとした。

記事は、紅麹を原料としたサプリメントは通常は安全と認識されている一方で、紅麹の種類によっては腎機能を低下させるカビ毒のシトリニンを発生させる可能性があるなど、リスクも存在するとの指摘が出ていることを報じている。(翻訳・編集/川尻)