中国・広西チワン族自治区の病院で、本来左ひざを手術すべき患者に対し右ひざの手術を施す医療ミスがあった。

中国メディアによると、同自治区百色市の右江民族医学附属医院で今年3月下旬に17歳のスポーツ特待生の男子生徒の手術が行われた。男子生徒は左ひざにできた骨腫瘍を切除する手術を受けるはずだったが、医師が誤って反対の右ひざの一部を切除してしまったという。

男子生徒の母親によると、医師は手術が終わる前に手術室から出てきて「誤って右ひざを手術してしまった」と説明した。その後、念のため切除した右ひざの一部を鑑定したところ、正常な組織であることが判明したという。

母親は「子どもの左ひざは見て分かるくらい突出していた。(骨腫瘍は)卵よりも大きいくらいだった。手術同意書にもはっきりと左と書いてある。手術には大勢のスタッフが関わっていたのに、なぜ誰も気づかなかったのか」と不満を漏らした。

一方、病院の責任者はミスを認め、「管理に問題があった。(被害者が)もし自分の子どもなら私もとてもつらい。われわれは合理的な範囲の責任は負う。本来行うはずだった左ひざの手術も無償で引き受ける用意がある。執刀医については今後処分を科す」とし、男子生徒およびその家族と賠償や今後の治療について協議する意向を示した。

病院側は、誤って手術した右ひざには後遺症などは一切ないとしているが、母親は「歩けるが痛みはあるようだ」とし、「社会に注目してもらい、私たちと同じように医療事故に遭うケースが減ってくれればと願っている」と語った。

中国のネットユーザーからは「とんでもないミスだな」「右も左も分からない病院」「こんなに明らかに違うのに、間違えるなんてことがあるのか?」「小さい病院でもないのにね」「最初に間違えていたとして、開いてみて何もないと気付かないのか?なんで切除までいっちゃうんだよ」「賠償したところで若者の一生を賄えるのか。しかもスポーツ特待生だ」「これがもし切断手術だったら…」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/北田)