中国のネット上に、「能登半島での思いがけないめぐり合い」と題する旅日記が掲載された。以下はその概要。

日本のように、時刻表通りに生活している国で、困り果てる状況が起こるとは思っていなかった。鉄道に乗って目指したのは和倉温泉だ。最初はとても面白い旅だと思った。小さな森を抜け、時折遠くないところに日本海の海岸線が見える。だが、1駅過ぎたところで列車は緊急停止した。台風で線路の上に木の枝が飛ばされてしまったのかもしれない。

結局、列車は何とか最寄りの駅までたどりついたものの、見たところ動きそうもなかった。このあまり知られていない場所を行き来しているのは地元の人ばかりで、私の中途半端な英語はまったく役に立たない。その後、列車の運転士はタクシーを探してくれ、身振り手振りで私の最終目的地をはっきりさせた。それから、いくつかの英単語で話ができる乗客の男性に私を託し、私はこのお兄さんと他の乗客2人と一緒に出発して乗換駅の七尾駅に向かった。

日本では普通、料金がとても高いからタクシーを呼ぶ勇気が持てないが、今回はお得な経験になった。鉄道運賃の数百円で1万円以上かかるタクシーに乗ることができた。隣に座る高齢の女性はずっとドライバーと雑談をしていて、日本人がこれだけおしゃべりできるということは、このような地方の人情味が濃厚ということなのだろう。ドライバーは私より先に下りる女性を、わざわざ家の前まで送った。

七尾に着くと、改札は閉まっていた。「お知らせ」の文字を見て、台風が原因で止まっているのだと推測することができた。お兄さんはとても責任感がある人で、駅で状況を聞いてから私を駅の側の交番に連れて行き、女性警察官を探して「台風で列車の運行再開は数時間後になります」と伝えた後、ようやく安心して去って行った。

もし、当時の私がその先の旅への不安を投げ捨てて、このなかなかめぐり合えない風土、人情を存分に感じられていたら、これはきっと一番面白い旅になっていたはずだ。(翻訳・編集/野谷)